コンブチャ作りのススメ

ブリュワーのはじめです。

ひょんな一言がきっかけで、藍染職人を経て、コンブチャ作りを始めた私が日々感じていることをコラムでは綴っていきたいと思います。
その経緯は以前のコラムで少し書いているのでご興味があればお読みください。

残渣で染め物?新たな価値を創造する「Kombucha dye(コンブチャ染色)」 | KOMBUCHA_SHIP (oks-kombuchaship.com)

ちらほらとコンブチャを自分でも作りたいという声を頂く機会も増えてきて、コンブチャの盛り上がりを肌で感じているこの頃。
直営店も含めてワークショップを開催していますので是非。

KOM_220527_2KOMBUCHA EXPERIENCE | Peatix

ということですが、技術的なことはワークショップに参加して頂くことにして、日本ではまだ珍しい職種だと思うので、

どうしてコンブチャを作っているのか?コンブチャの何が好きな理由を聞かれることがあります。

なので、ここではちょっと感覚的な話を。

ブリュワー仕事の一つはコンブチャの発酵管理。目に見えないものたちの生き物係です。発酵は酵母やバクテリアの活動なので、大事なのは環境作り。

それらが協力して活動できる温度に調整したり、余分なものが侵入しないよう気をつけたりするので、いつも会社のガーデンの多種多様な植物を手入れしてくれているplant art worksの鈴木さん(庭師)の姿勢をいつも参考にしていたりして。

コンブチャ作りをご自宅でする時には、目にみえないものも扱うので環境作りというと、ハードルが高そうな気もするのですが、微生物と協力してものつくりをするという感覚があって面白いですよ。

コンブチャの場合は2-3日もすると液面に膜が張ってきて、7日目くらいにはグミ状のスコビーが出来てくるくらい、発酵している実感が他の発酵食品を作るより得られやすかったりもします。

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藍染をしているときもよく感じたのは、生き物に触れているみたいな感覚。それはコンブチャ作っていても同じ感じ。

自分の背丈ほどあるステンレスタンクを使って発酵させているので、そのスケール感がよりその実感を高めてくれる。

仕込みの時なんかは顕著で、それはそれで結構ハードな作業なのだが、贅沢でもあって。全身を使って発酵の豊かな香りを浴びているような気持ちです。
この感覚が「好き」で仕事にしているなと思います。

ただいつも夢中で作業しているためか、発酵という小さな営みに触れている時や会話している時がこの仕事のハイライトだと思っていても、なかなか共感してもらえない。
楽しそうに作業していないからか、それとは裏腹に内心はとても盛況で、だからたまに独り言を言いながらやっているかもしれない、たぶん。

コンブチャ作りを始めてもらえると同じような感覚をこの小さな営みから感じていただけると思います。

きっとキッチンの時間がより楽しくなるはず。

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ABOUTこの記事をかいた人

Hajime Kadota

_SHIP KOMBUCHAブリュワー。 ファッションの専門学校を卒業後、日本特有の本藍染技術に魅了され京都の工房で藍染職人として着物や有名アパレルブランドの藍染を行う。 お客様へ自身が発酵に携わった製品を届けたい想いが強くなり、お茶を発酵させたスパークリング飲料「コンブチャ」と出会い、大泉工場へ入社。 自身がアルコールが得意ではなく、アルコールを飲む人も飲まない人も楽しめるような飲料を作りたいと想い2020年から_SHIP KOMBUCHAのブリュワーへ。 大切にしているのは「誰も取り残さない世界」。 アルコールもノンアルコールも同じ世界で楽しめる世界をつくりたい。