こんにちは!デザイン周りを担当しておりますPRのJUNです。
大泉工場の掲げる『地球を笑顔で満たす』『素敵な環境を創造する』に共感して一緒に働いています。
先日、ある体験会をきっかけに、はじめて“モルック”というフィンランド発祥の木の遊びに触れる機会がありました。
「木の棒を投げてピンを倒すだけでしょ?」——初めて名前を聞いたときは、正直そんなふうに思っていました。それでも、「誰でもできて、意外と盛り上がるよ」という周囲の言葉に背中を押されて、半信半疑のまま参加してみたのです。
いざプレイが始まると、その奥深さと面白さに驚かされました。単純に見えて、戦略や駆け引きがあり、そして何より、人と人が自然とつながっていく空気感が心地よかったのです。体験後すぐに、私はミニチュア版のモルックを購入し、今では家族みんなで夢中になって楽しんでいます。
今回のコラムでは、そんな“モルック”というシンプルだけど奥深い遊びが持つ魅力と、それが生み出すつながりの力について考えてみたいと思います。

モルックとは
モルック(Mölkky)は、フィンランドで生まれた木の棒と木のピンを使って遊ぶ、アウトドアスポーツです。1996年に、フィンランドのカレリア地方の伝統的なゲーム「キイッカ(kyykkä)」をもとに、Lahden Paikka社(当時 Tuoterengas社)によって開発されたスポーツです。誰でも楽しめるレクリエーションゲームとして開発されました。モルックの最大の魅力は、「ルールが簡単」なのに、「頭とチームワークを使う」こと。
子どもから大人まで、年齢や運動神経を問わずに楽しめる、まさに共創型スポーツです。
どうやって遊ぶの?
a) 番号のついたスキットルを並べます。
1〜12の数字が書かれた木のピン(スキットル)を、三角形になるように地面に並べます。
b) プレイヤーは、投げるスキットルで番号付きのスキットルを倒すことを目指します。
スキットルから3.5メートル離れたラインから、モルックという棒を下手で投げます。
c) 複数のスキットルを倒した場合、得点は倒した本数と同じになります。
・1本だけ倒した場合 → 倒したスキットルの数字が得点
・2本以上倒した場合 → 倒した本数が得点
d) 倒れたスキットルは、倒れた位置にそのまま立て直します。次のプレイヤーの番になります。
e) スキットルを1本だけ倒した場合は、そのスキットルに書かれた数字が得点になります。
f) 先にちょうど50点に達したプレイヤーが勝者です。
ただし、
!) 50点を超えてしまった場合、スコアは25点に戻ります。
!!) 3回連続で得点がゼロだった場合、そのプレイヤーは失格になります。
というルールもあり、ただ力任せに投げるだけでは勝てません。やってみると点数の加算、減算のバランスが絶妙なんです。

どんなところが楽しいの?
- 誰でもできる!
力やスピードがいらないので、子どもも高齢の方も一緒に楽しめます。 - 戦略がカギ!
あえて外したり、相手に不利な配置を残したり、頭を使う場面もたくさん。 - チームで盛り上がれる!
「どこ狙う?」「これはいける?」など、会話が自然に生まれ、知らない人とも仲良くなれます。
モルックから学ぶこと
モルックで使うのは、手になじむ丸太のような木の棒と、番号の書かれたスキットル。それだけのシンプルな道具とルールなのに、プレイしてみると驚くほど奥深い戦略性があります。
ピンの配置や得点状況によって、ただ「当てればいい」だけではない選択が求められます。あえて外す。相手に有利な状況をつくらない。自分が得点することより、全体の流れを読む判断も必要です。勝つためには、読み、考え、そして時に譲る——そんな柔軟さが試されるのです。
でも、モルックの真の魅力は、数字でも勝敗でもありません。
一投ごとに場の空気が変わり、知らない人同士が自然と笑い合い、声を掛け合いながらチームになっていく——そんな不思議な力があります。
競い合うのではなく、関わり合う。
力をぶつけるのではなく、状況を共有する。
モルックは、誰もがフラットに、同じフィールドに立てるスポーツであり、同時に「人と人とがつながる仕組み」でもあるのだと、あらためて感じました。
共創と戦略——一見相反するふたつの要素が、ひとつの木の棒を通じて自然に共存している。
モルックは、そんなバランスを楽しみながら育むことができる、“これからの関係性づくり”のヒントに満ちたスポーツです。
今の社会にこそ必要な、“余白”と“対話”を育むヒントが、この一本の木の棒に詰まっているのかもしれません。
