ポップコーンという、幸せな情報(記憶)

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

僕は、ポップコーンというスナックに、ちょっと特別な思い入れがある。

もしかすると、昔から僕のことを知ってくれている方の中には、「ああ、懐かしいな」と思ってくれる人もいるかもしれない。
というのも、2008年10月、大泉工場に戻って最初に取り組んだのが、ポップコーンのビジネスだったからだ。

老舗の鋳物工場の完全閉鎖、不動産管理というまったく別の事業展開。そんな会社が、なぜポップコーン?と思われるかもしれない。
けれど、その背景には、僕自身の深いところにある、感情があった。

大泉工場に戻る前、僕は1ヶ月ほどニューヨークで過ごしていた。
家業に戻ることは決めていたけれど、当時の僕はまだ、その会社が何を大事にし、どこを目指しているのかを、正直なところ、理解していなかった。
いや、正確に言えば、理解しようとさえしていなかったと思う。

5年間勤めさせてもらった大手ディベロッパーでは、それなりにやりがいもあって、濃く、充実した時間を過ごしていた。だからこそ、戻ることへの抵抗も大きかった。
今思えば、自分で戻ると決断した以上は、もっと早い段階から、会社のことを深掘りしておくべきだったと思う。けれど同時に、わからないながらも「戻って何かを始めなければ」という思考が、僕の中でじわじわと湧き出ていた。

ニューヨークでの滞在は、そんな曖昧な気持ちを整理する時間でもあった。
唸るような熱気、エネルギーが溢れ返る街で、自分を見失いかけながらも、色々な人と出会い、話を聞き、少しずつ自分を取り戻していった。
そんな中で、ある人から言われたのが「好きなことをやったらいいよ」という一言だった。

その言葉に背中を押された僕が、思い至ったのが、「食べること」だった。
食べること、飲むこと——それらは人間にとってあまりにも当たり前だけれど、僕はその分野にずっと強い関心があったように思う。

そしてある日、ペンステーションで、ポップコーンと劇的な出会いがあった。
その香りに、僕の体が反応した。まるで過去の記憶を引っ張り出すように。

ポップコーンに惹かれた理由は、少し根が深い。


以前のコラムでも書いたけれど、「カラーバス効果」という心理的現象がある。
人は、何か特定の情報を意識し始めると、それに関する情報ばかりが自然と目に飛び込んでくるようになるというものだ。

僕の場合、たぶん子どもの頃からずっと、ポップコーンという存在にこのカラーバス効果が働いていたのだと思う。

思い出すのは、10歳前後の記憶。
今は亡き父が、家でフライパン型のポップコーンを作ってくれたときのこと。
豆がパチパチと弾ける音、コンロの熱気、立ち上る香ばしさ、そして溶けていくバターの匂い。
それらすべてが混ざり合った空気の中で、父が少し得意げに「できたぞ」と差し出してくれたポップコーン。
あのときの匂いは、今でも鮮明に記憶に残っている。僕にとっての“幸せな情報”の原点だ。

そして、20年後。ニューヨークのペンステーションで、その記憶とぴたりと重なる香りに再会したとき、僕は「これだ」と思った。
帰国後すぐに、当時の社長に直談判して、ポップコーンビジネスがスタートした。

この“再会”が僕の人生にとって大きなターニングポイントだったのは間違いない。
でも本当のポイントは、なぜ僕がその香りに反応できたか、ということ。
それは、同じ匂いを嗅いでも、誰にとっても意味があるわけじゃない。
“匂い”は誰にでも届くけれど、“意味”はその人自身の記憶の中にしかない。

幸せな情報は、人それぞれ違う。
僕にとっては、ポップコーンだったのかもしれない。
あなたにとってのそれは、なんだろう?

何かの拍子にふと立ち止まって、身のまわりに目を向けてみたら、案外すぐそばに、“その香り”は潜んでいるかもしれない。

そしてその“香り”が、これからまた、少しずつ動き出すような気がしている。

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ABOUTこの記事をかいた人

大泉寛太郎

1981年生まれ。 学生時代より、イベントチームやフットサルチームの立ち上げ、BarなどでDJとして活動。 大手商業施設でテナントリーシングや営業企画、PR、広報など幅広い分野を経験したのち、2008年大泉工場入社、2012年より現職。 アジアからオセアニア、ヨーロッパ、北米、アフリカと世界中を飛び回り、地球の「今」を体感。 「地球を笑顔で満たす」というMISSIONを掲げ、日々、いかに「素敵な環境を創造するか」自問自答しながら生きている。