電気図面ってなに?現場でどう役に立つのか話します。

こんにちは、メンテナンスチームwatanabeです。

はじめて電気図面を見たとき、正直「無理だこれ」と思った。
線だらけ。記号だらけ。しかも、その線が交差していたり途切れていたりして、「これは謎解きか?」と思うくらい難しく見えた。

でも、今では図面がないと逆にめんどくさいなと思うようになった。
それくらい、“読める”と現場での立ち回りが変わる。
今日はそんな「電気図面って意外と便利ですよ」って話を、少し専門寄りにしてみます。

■ 電気図面って、どういうもの?

電気図面は、「電気がどこから来て、どこを通って、どこで働くか」を描いたもの。
たとえば、
・電源がどこに入って
・スイッチを経由して
・ヒーターに電気が流れる

この一連の流れがわかれば、「じゃあスイッチが壊れているのかも」「ヒューズが飛んでいるのかも」といった“あたり”がつけられる。

修理において、「見当がつく」というのは本当に大事なことだと思う。

図面は「読む順番」が大事

図面を見るとき、一番大事なのは「どこから電源が入っているか」を見つけること。
AC100V? 単相200V? DC24V?
電源の種類によって、回路の構成も変わる。
そこを見逃すと、図面全体がチンプンカンプンになる。

次に、GND(アース)やN(ニュートラル)がどこにあるかを確認する。
これで「回路の端」と「基準」がわかる。

そして、「電気が流れる道」を追う。
・スイッチONで通電
・リレーが作動
・タイマーでヒーターに出力

こういった流れが読み取れるようになると、
図面が“読める”という感覚がついてくる。

「電気は来ているのに動かない」あるある

実際、現場ではこういうパターンがよくある。
「通電ランプは点いている。でも動かない」
こんなとき、図面を見ると“安全スイッチ”や“リミットスイッチ”が間に入っていたりする。
つまり、「電気は来ているけど通してない」状態。

そういう“途中にあるブロック”を図面で見つけられると、
無駄に分解しなくて済む。
これは、図面を読める人と読めない人の、けっこう大きな差だと思う。

■ PLC(シーケンサー)ってなに?

図面には「どこに電気が流れるか」は描かれていても、「いつ、どれだけ動かすか」という“動作の中身”まではわかりません。
たとえば、コールドプレスジュースマシンでは、プレスボタンを押すと、自動で90秒間プレスを続ける仕組みがあります。

こうした時間制御や動作の流れをコントロールしているのが、PLC(シーケンサー)と呼ばれる装置です。
いわば“見えない司令塔”であり、機械に「いつ・どれだけ・何をするか」を教えてくれる存在です。
もともとリレーやタイマーを組み合わせて制御していたものが、一つにまとまって「ラダー」と呼ばれるプログラムで自由に動作を作れるようになった、それがPLCのすごさです。
図面には書かれていない「動きの設計図」が中に入っている、まさに機械の“頭脳”といえます。

■ 図面は「現場の地図」

図面は難しそうに見えるけど、
実際は「機械の中の配線がどう繋がっているか」を絵にしたもの。
図面の読み方を全部覚える必要はない。
よく出る回路や使う部品のパターンに慣れていくと、
「あ、またこの構成だな」とすぐに分かるようになる。

そして一番大事なのは、図面だけを信じないこと。
実際の配線と図面が違うこともある。
だから図面は“地図”、現場は“現実”。
両方を行き来しながら、確かめていくのが大事だと思う。

図面アレルギーだった昔の自分には、
「1本の線の意味が分かるだけで、修理のスピードが全然変わるぞ」と教えてあげたい。

大泉工場のメンテナンスでは、こうした図面や制御を理解したうえで、マシン一台一台に丁寧に向き合う修理・対応を心がけています。