「虹の先に、僕らが向かう場所」

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

僕は、小・中・高校1年生の夏まで、いじめを受けていた。

授業中、席の後ろから無数の消しゴムのカスをぶつけられ、教室に入ると黒板には僕の名前を使った悪口がびっしりと書かれている。先生に助けを求めても、返ってくるのは冷たい視線だけ。逃げ場のない日々だった。

だからなのか、差別やいじめに対して、僕は本能的に嫌悪感を抱いてしまう。とくに「集団が少数を排除する構図」には、今でも心がざわつく。

LGBTQ+という言葉を、みなさんも目にする機会が増えていると思う。性の多様性を尊重しようというこのムーブメントが、社会の中でようやく声として届き始めているのは、とても喜ばしいことだ。

僕自身がこの言葉と向き合うきっかけになったのは、2013年、視察出張で訪れたアメリカ・ロサンゼルスの「アボットキニー通り」、そしてサンフランシスコの「カストロ地区」だった。どちらも個性的なカルチャーと自由な雰囲気が漂う街だが、当時の僕が驚いたのは、街のいたるところにレインボーフラッグが掲げられていたことだった。

この6色の虹色の旗は、LGBTQ+の人々の誇りや多様性を象徴する旗であり、「私はあなたを尊重します」という、無言のメッセージでもある。

日本では虹=7色だが、レインボーフラッグは基本的に6色(赤・橙・黄・緑・青・紫)で構成されており、それぞれに意味がある。赤は「生命」、オレンジは「癒し」、黄色は「太陽」、緑は「自然」、青は「平和」、紫は「精神」。つまり、この旗自体が「人間としての尊厳」そのものを表しているのだ。

「視覚的に、差別への拒絶を示すことができるんだ」

そのときの僕は、軽い衝撃を受けると同時に、深く感動したのを覚えている。

実際、性的マイノリティと言われる人々の割合は、全体の3〜4%と言われている。つまり、おおよそ30人に1人の割合。これは左利きの人と同じくらいの比率だ。

「うちの職場にはいないよ」と思う方もいるかもしれない。でも、本当に“いない”のではなく、“言えない”だけかもしれない。もしかしたら、黙って傷ついている人が、すぐ隣にいるかもしれない。

そんな思いから、僕が代表を務める大泉工場では、2015年から社内にレインボーフラッグを掲げている。そして2023年には、オールジェンダートイレを導入した。まだ小さな一歩かもしれない。でも僕らは、誰もが安心して自分らしくいられる環境づくりを、事業を通して続けていきたいと思っている。

昨年6月、プライドマンス期間中の出来事も、僕の心に深く残っている。

普段はあまり使わないタクシーを呼んだら、真っピンクの車が現れた。その車体のインパクトに驚きながら乗り込むと、運転手の渡辺さんがこう教えてくれた。

「このタクシー、八千代交通が取り組む“アライ活動”の一環なんです」

「アライ(ally)」とは、LGBTQ+の人たちを理解し、支援し、ともに歩む人のことを指す。自分が当事者でなくても、寄り添う意思を持つことができる。企業としても、社会の中で“アライ”を育てていく責任があると、八千代交通では考えているそうだ。

ちなみにそのタクシー会社は40台保有しているが、ピンク色の車は1台だけ。まるで社会の中の“多様性の象徴”のようだった。

ドライバーの渡辺さんの話からは、単なる取り組みを超えた「人としての優しさ」が伝わってきて、とても温かい気持ちになった。

毎年6月は「プライドマンス(Pride Month)」と呼ばれ、LGBTQ+の権利や尊厳を讃え、社会の理解を広げる月間だ。その起源は1969年、アメリカ・ニューヨークの「ストーンウォール事件」まで遡る。当時、ゲイバー「ストーンウォール・イン」に対する警察の弾圧に、人々が声を上げ、立ち上がったことが、現代のLGBTQ+ムーブメントのはじまりとなった。

つまり、プライドマンスは「祝う月」であると同時に、「抗う月」でもある。差別や不平等に対して、声をあげ、連帯し、行動する。そして、自分と異なる誰かの「生きやすさ」を、少しでも手助けできるきっかけの月。

僕らの社会において、「ちょっとの想像力」と「少しの行動」が、大きな支えになることがある。

まずは知ること。次に、隣にいる人に優しくなること。そこからすべてが始まる。

大泉工場では、これからも「人の幸せって、なんだろう?」を問い続ける場をつくっていきたいと思っている。

その輪に加わってみたいと感じたあなた。僕らは、あなたのエントリーを心から歓迎します。