【藤田 敦子インタビュー Vol.1】大皿彩子さん 〜①彼女の考える『世界の共通言語』とは?〜

Processed with VSCO with kp1 preset

今までに幾度となくここのコラムにて
お名前を出させてもらっている、友人の大皿彩子さん。
彼女は、食の企画会社『さいころ食堂』の代表であり、
池尻にあるヴィーガンカフェ『アラスカツヴァイ』のオーナーでもあるんです。

今回、彼女との対談をここに記すにあたり、
彼女と初めて連絡を取った2年半前のFacebookのメッセージを遡ってみて
そもそも、私自身がなぜ彼女のことをこんなに大好きなのか(笑)、
などなど当時の自分の気持ちを思い返してみることに。
(↑書き方がまるで恋人のよう。笑)

ここからは、
普段彼女を『さいちゃん』と呼んでいるのでそう書かせてもらいますね。

彼女との出会いは、それこそ2017年4月。
友人が私を『アラスカツヴァイ』に連れて行ってくれた時のこと。
こんなに美味しいヴィーガンのお店を作る人ってどんな人なんだろう?
お会いしてみたい!と思っていたから、まさかまさかの偶然会えて、
とても嬉しかったことを鮮明に覚えています。

さいちゃんは、すごく物腰柔らかく、
まるでほっこり日向ぼっこしてる時の
あたたかさを感じるような声のトーンと話し方。
そう、一見ふんわりとした印象だったのだけど、
関わりが深くなり、たくさん話していくうちに
芯の強さを感じて、そのギャップにますます惚れ込んだわけで。笑

といいつつ、初対面の日はそこまで話せず。
ただ、その日彼女からFacebookのメッセージで
「少しの時間だけど、とても近い共通の友人がいることを知っていて
やっと会えて嬉しかったです。」的な、とっても丁寧なメッセージが。

思わず私も、
「お目にかかりたかったから嬉しかったです、またゆっくり会いましょう!」と
返したところ、あんなに華奢で柔らかい印象の彼女が
「実はランニングやトレーニングが大好きだから、
敦子さんがやっているジムにも興味あります。」と言ってくれて。
(当時、ジムのプロデュース的なこともさせていただいてました。)

あらま、なんてうれしい。笑
「だったら、一緒に運動しましょう!」
と、全然食と関係ないところではありますが、
仲良くなれそうだなぁ・・・と思う会話からやり取りがスタート。

それから、
お互いに会いたいと思いつつなんだかんだ予定が合わなかったのに、
ふと「明日あたりどうですか?」というさいちゃんからの連絡に
たまたま私もいける!となって。
こういうのがまさに「タイミング」ですね。

私が、当時お肉を控えていたことなどもあり、さいちゃんの計らいで、
最初の会合はなんとたまたまお休みだったアラスカツヴァイで
さいちゃんが料理を振舞ってくれるという、今考えるとなんとも贅沢なご提案。
(残念ながら、普段そんなサービスはございませんのであしからず・・・。笑)

「何か食で気をつけていることありますか?」と聞かれ、
小麦と肉を控えていることをお伝えし、アラスカといえばパンがおいしいお店ですが
そんな要望も快く引き受けてくれて、
それはそれは本当においしいご飯を作ってくれました。
(今となっては、アラスカに行く日はパンを食べています!笑)

1 2 3 4

はい、この写真を見てお判りでしょう・・・。
食いしん坊な私は、あまりにおいしいさいちゃんのお料理に
写真撮るのも忘れ、出されたものをすぐさま口に入れる始末。笑
あとから気づいて、
家でも作りたいし・・・と思って撮らせてもらったものの、すでに残り物状態。笑
さいちゃんはこの他にも数種作ってくれて、
しかもすごく素敵に盛り付けてくれていただけに無念極まりない・・・。笑

そんなこんなで、ほぼ年が同じということもあり
その日にグッと距離が近づき、そこからアラスカに通い出し、
なんなら一緒に溶岩ヨガに行ったり、運動も一緒にしていた時期もありました。

その半年後、私の友人にさいちゃんを紹介したところ
友人の地元である安曇野に、家族がやっているりんご園があり、
「そこのりんごを使ってベイクショップを作りたいから
さいちゃんにぜひレシピ開発お願いしたい!」
なんてくだりから、一緒に長野に旅したりもして。

5 6 7 8

長野、安曇野にできたこのお店には
じつは大泉工場のKOMBUCHA SHIPも入っていることもあり、
改めてオープニングにお伺いした際のレポートもしたいなと。

と、ここ2年ほどでたくさん素敵な時間を一緒に過ごさせてもらい
いろんな話をしてきたさいちゃんでしたが、
このような形できちんと話を聞くことはもちろん今までになく、
改めてさいちゃんの話を聞きたいなと思い、
生まれたばかりのかわいいかわいい赤子がいるさいころ食堂に
お邪魔してお話を聞いてまいりました。

――――――――――――――――――――――――

敦子:さいちゃん、なんだか改めて話聞くとかって、今までなかったね。笑

彩子:そうだね、それでいうと、私の経歴をまず話そうか。

敦子:うん、改めて聞きたいな。よろしくお願いします!

彩子:私って、もともと料理の人ではなくて。広告代理店に勤めていて、
実は高校生のときから広告がやりたかったの。

敦子:えーーー高校生?
その頃から「広告」ということが明確だったんだね。

彩子:私たちの高校時代ってさ、CMで見たことが学校で話題になったりしたじゃない?
あーいうのを見たときに、
「自分が考えたことで人をワクワクさせたり、感動させたりしたいな!」って。
人の気持ちを動かすことにその頃から興味があったんだよね。
なんか、こんな言い方がいいのかわかんないけど、シンプルなゲームみたいだなって。笑
だから、こういうことを仕事にできたらいいなーって思ってたんだ。

それでね、大学進学を考えたときに、
大学で一体何を勉強したらいいかと考えて社会学を選択したの。
人の行動心理学、社会がどういう原則があるのか、に興味があったんだよね。
その頃はとにかく、広告の仕事をやることしか考えてなかったから(笑)
実は大学に行っても、自分の興味のあること以外は
いかに効率よく単位を取るか、ばっかり考えてた。笑

法学部政治学科に行ったのに興味がある授業のみしか行かなくって
あとは社会人に関わりたくて、すごい数のバイトしてたんだ。
今だから言える話だけどね。笑

敦子:あはは、さいちゃんっぽい。笑
たくさんバイトした中で印象的だったり
今の仕事に活きてるなって思うのはなんのバイト?

彩子:一番長かったのは、銀座にあった格式高いホテルの
ケーキショップで販売と製造をやってたの。
そこで、バイトなのにプライスカードを
食べたくなるようなものに書き換えたりしてたんだ。
例えば、プリンだったら
「〇〇産の〇〇卵と、どこどこ産の牛乳でつくりました」
とか書いてあったけど、それって美味しそうに感じる?

敦子:うーん、正直食べたい!!とはあまり思わないかも・・・。笑

彩子:でしょ? 笑
私だったら例えば
「生クリームが入っていないのにとてもやわらかな食感で、舌の上でくずれます。」
とかの方が絶対食べたくなるな、と思って、書き換えたりしてた。
バイト週5で入ってたもん。笑

敦子:ほぼ就職してる。笑
でも、そこですでにさいちゃんらしさを発揮してたんだね。

彩子:他にも家庭教師とか、広告代理店のインターンも行ったね。
何せ、広告代理店に入ることしか考えてなかったから。笑

敦子:で、バイトしまくって無事大学も卒業して広告代理店に入ったわけだね。

彩子:そう。
その頃、広告作るのは本当に楽しかったよ、動かす金額も大きくてね。
でもね、やっているうちに、みんな感じる事かもしれないけど、
広告はどんなに素敵な表現をしても商品がいくつ売れたか、だけが評価軸なの。
それがさみしくなってきちゃって。

敦子:わかるかも、
私も人が喜ぶ顔が直接見えない仕事、実は結構苦手。笑

彩子:そうなんだよね。
たとえばCMがすっごく話題になったとするじゃない?
でも、じゃあその時CMをみた人がすぐその商品が本当に欲しいか、
っていうと、そのアイテムが欲しいタイミングがきたときに
うちのブランドを思い出してもらえたらいいじゃん。みたいな話なんだよね。
「あれ?私が本当にやりたかったのって広告じゃないのでは?」なんて思い始めて。

敦子:PRも同じだなぁ・・・。笑
じゃあ、この仕事をやめよう、と思ったきっかけがこの頃にあったんだね。

彩子:そう。
転機だったのが、サッカーW杯の仕事をしたことだったかな。

敦子:ちなみにその頃、もうすでにサッカー好きだったの?
(彩子さん、ガチのサッカーファン)

彩子:それがこの時はまだそうでもなかったかな。笑
当時の南アフリカ代表国だったガーナとカメルーンの貧しい子供たちに向けて
無電化村に蓄電器(ソーラーパネル)を持って行って、
昼充電して夜試合を中継する、って仕事をしたんだ。
それで、カメルーンの試合とき、子供達が村に集まって始まる前に中継で
大型のスクリーンにカメルーン代表が映ったときにさ、
集まっている村の子供150人くらいの全員の目がキラキラ光って、
子供たちが膝抱えて口を開けてぽかーんとみてたんだよね。
スタートして相手国から先制点を取ろうもんなら
子供たちが喜び大爆発させてダンスしちゃって。
もうそれをみて私、涙が止まらなかったの。
あの子達は、一生その経験を忘れないんだろうな、と思うと、
「高校生の時から私がずっとやりたかったのはこれだな。
こんなにも自分の仕事で人の心を動かす、これ以上のことがあるのか!」って。
「これを仕事にしたい!」と強く思って代理店を辞めたというわけ。

敦子:それは泣くね。涙
実際に自分たちのやった事で人の喜んでくれる顔が見れた瞬間だったんだね。

彩子:そう。それでこの先、人の心を動かす仕事として私に何ができるかな、
って考えたときに世界中の言語が伝わらない人たちにも伝えるものを持っていたい、
って思って、世界で一番大きな『共通言語』を考えると
『サッカー』『音楽』『食』だ!となった。笑
この三つなら、言葉が通じなくても私の考えることを伝えることができるし
フィールドが広いから一生やっていけるかなって。

敦子:そこでそれを思いつくことがすごい!

彩子:でもね、『サッカー』はもちろんプレイヤーをやったことがないから(笑)
仕事にするのにきっと時間がかかるし、『音楽』は、昔から本当に苦手で・・・。笑
じゃあ最後の『食』は、と言うと好きな食べ物に対する探究心は前々からあったから、
食べ物のことなら仕事にできるんじゃないかなって。
実は、ここでケーキ屋さんのバイト経験も活きていて、
そこにいたシェフ達は超一流だったし、何せ食べ物のプロばかりだった。
割と知らないうちにすごい方々と繋がっていたりもして。
すごい人の弟子もすごいし。
そういうシェフ達と気軽に話すことができたのも大きかったかな。

「食の世界でなら、プロデュース業ができるかもしれないから
食のプロを集めて形にしてみよう!」と思ったんだ。

敦子:それが何歳の時?

彩子:29歳だね。

敦子:独立29歳か、若者の励みになる話だねー!

彩子:だといいな。笑
初めはね、ありがたいことにもともと仕事していた代理店さんから仕事をいただいてたの。
「クライアントさんである某企業(食関連)のプランナーとして入ってくれない?」
ってお声がけをいただいたりね。それでこの頃、さいころ食堂を作ったんだ。

敦子:さいころ食堂の名前の由来とか聞きたいかも。

彩子:名前の由来はね、
「課題に対して必ず答えたい。」って気持ちから始まったの。
サイコロってさ、降れば必ず目がでる。結果が出るじゃん?
まぁ、自分の名前が彩子(さいこ)だから
サイコロは昔からのあだ名でもあるのだけどね。笑
そこに食堂ってつけたのは、食べ物のプロが集ってアイディアを
出し合う『場所』でありたいなと思って『場所』の名前をつけたんだ。
私が場所。私のところに集まってくれるような存在になりたいし、
そういう風に仕事をしたいと思ったんだよね。
だから実は、このときは飲食店とか全然やるつもりもなかった。笑
あくまでも企画屋さんとして考えてたんだよ。

敦子:そうだったんだね。
店舗をやるつもりがなかったところから
どういうタイミングでアラスカツヴァイをやり始めたのか、
聞かせてもらいたいな。

――――――――――――――――――――――――
というわけで、次回はアラスカツヴァイができた経緯や、
なぜアラスカツヴァイのお料理が多国籍料理なのか、などを記したいと思います!

大皿彩子さんprofile

Processed with VSCO with kp1 preset

大皿彩子(Saiko Ohsara)
(株)さいころ食堂 フードプランナー Vegan cafe [Alaska i] 店主

プロフィール
広告会社勤務を経て、2012年(株)さいころ食堂を設立。
2016年中目黒にVegan cafe[Alaska zwei]をスタート。
Veganを含む“おいしい企画”のプランナーとして、
フードブランドプロデュース、レシピ開発、
空間・イベントコーディネートなどを行う。

Instagram:@saikolo
HP:saikolo.jp

ABOUTこの記事をかいた人

大手化粧品会社PR・企画開発担当後、オーガニックコスメのPRを経て、現在はフリーランスで様々なジャンルのブランドのPRを担当。また、イベント企画やマネジメントなど、活動は多岐にわたる。京都出身。