【藤田 敦子インタビュー Vol.1】 〜②ベルリンで感じた『食の多様性』を表現するアラスカツヴァイ〜

逕サ蜒・

大皿彩子さんインタビュー2は、
アラスカツヴァイができた経緯や、
なぜアラスカツヴァイのお料理が多国籍料理なのか、
などをお伺いしてきました。

――――――――――――――――――――――――

敦子:前回の続きを聞かせてくださいな。

彩子:なんでも喋るよ。笑

敦子:お願いします! 笑
さいちゃんがさいころ食堂を作ったときに
飲食店をやるつもりがなかったって話だったけど、
どういうタイミングと経緯でアラスカツヴァイを始めることになったの?

彩子:アラスカツヴァイはね、
今年で3周年で2019年9/1から4年目に突入したんだ。

敦子:おめでとう!!いつもお世話になってます。笑

逕サ蜒・ 2

彩子:いつもきてくれてありがとう。笑
このお店をはじめたのもご縁で。
もともとあったツヴァイになる前の
アラスカってお店が大好きで、お客さんとして通ってたのね。
前のオーナーさんには親しくしていただいてたし、私も尊敬していて。
そしたら、なんとお店をたたむタイミングで、
「是非居抜きで、知ってる方に使ってもらいたい」
とお声がけいただいて、私が引き継ぐことになったの。
名前は、前の店舗がアラスカだったからそのまま、
前のオーナーへのリスペクトもあって
ドイツ語で2=ツヴァイってつけたんだ。

敦子:そうだった、ツヴァイはドイツ語だったね。
私がドイツに行った時も、ベルリンの素敵なお店を教えてくれたのは
さいちゃんだったしね。

彩子:そう、どんな店にするか考えた時にね、
海外出張が多い中で、一番色々と影響を受けたのがベルリンだったから、
ゆくゆく東京もベルリンのように多言語多国籍多文化の街になっていくだろうし、
そうなったときに、東京でみんなで囲める食卓をつくりたい、って思って
その年に行ったベルリンでアラスカツヴァイはヴィーガンにしよう、と決めたの。

敦子:そう、私その話が大好きなんだ。笑

彩子:いつもいろんな人に話してくれてるもんね。笑

敦子:そもそも、ベルリンが好きになったきっかけとかあるの?

彩子:もともとベルリンに行ったきっかけはデザインが好きだったからなの。
あと、ヴィーガンがいいなと思った理由と同じで、とにかく多様性があるところ、かな。
旧東ドイツは一回ゼロになっていて、何もないところから世界中の人が
共存して文化を作り上げてきた街で、どれが多数派でもなく共存しているな、と。

敦子:わかる、その感じ、建物にも出てるよね。

彩子:そうそう、ベルリナーの気質なんだと思うんだけど、一見シンプル、
でも内側にとっても個性があるなって。街の作りも同じだよね。

敦子:ギャップがいいんだよね。

彩子:うん、街並みは旧ソ連のまま建物が角ばった感じなんだけど、
中庭に入ると思いがけず広かったりすごい個性あってめちゃくちゃオシャレだったり、
地下鉄が全駅違うデザインだったりとかね。

建物の外側
3 4

建物の内側
5 6

敦子:わー行った時地下鉄乗ればよかったー!ていうか、
その話聞いて思ったのが、モロッコのメディナっぽいなって。
外は同じように統一された雰囲気なんだけど、
一歩中に入ると広くて全部が違う雰囲気で。あれを思い出した。

彩子:たしかに、近いかもね!
もともとが社会主義の場所だからなのかな、奥ゆかしくて好きなの。
何よりベルリンが好きな一番の理由は、何度も言ってるけど(笑)
様々な文化がどれも多数派になることなく共存していること。
だからそんなベルリナーたちがレストランで運んでくれたヴィーガンが
私にはとってもしっくりきたんだよね。

敦子:たしかに、
ベルリンのヴィーガンっていろんなテイストだったかも!
この黒い塊は、カリフラワー揚げている?丸焼き?
なんだけど、めちゃくちゃ美味しかった!

7 8 9 10

彩子:そう、たとえばフランスで食べるヴィーガンは
あくまでもフレンチのヴィーガンだなって。
私もパリが大好きだしそれももちろん美味しいんだけど、
ベルリンのヴィーガンは、さっきのあっちゃんの写真みたいに
例えばフムスがあったり、ポテトフライがあったり、
タコスがあったりジェノベーゼのパスタがあったり・・・
『何料理』って決まりがなくて、
アラスカツヴァイもそういう店にしたいと思ったの。

敦子:国籍ない料理だよね、アラスカツヴァイも。
そこが本当に好き。

彩子:そこはかなり意識してるかな。
だから、たとえばヴィーガンイタリアンの会をやったりもしてる。
実は11月もアジアンヴィーガンをやるんだよ。
アジアンヴィーガンは、お客様にとても好評なの。
でも、実はアジアはヴィーガン後進国と言われているんだよ。

敦子:えー意外!
和食なんて特にヴィーガンを余裕でできそうなのに・・・。

彩子:ほら、化学調味料ってものがあるじゃん?笑

敦子:あ、たしかに・・・(笑)、
しかもカツオとか煮干しでお出汁とったりもするから
出汁も変えないといけないもんね。

彩子:そう、たしかに台湾とかにも素食と呼ばれるものがあったりするし、
宗教的に動物性を取らない人が多いのにこと外食に関しては化学調味料が
使われているところもまだまだあって、海外からの旅行客が食べたいと思える
ヴィーガン料理にはなかなか出会えなくて。
だから、アラスカでアジアンヴィーガンを定着させたいな、って気持ちもあるの。
ベルリナーたちがきっと興味を持ってくれるんじゃないかな、って。

敦子:うんうん。それでいうと、
アラスカに来る人は、海外の方が多いよね?

彩子:そう、Google MAPで調べてのお客様が多いかな。
だからGoogle MAPのレビューがみんな英語だよ。笑

敦子:まあそうだよね、海外だとだいたい自分も
Google MAPで調べていくもんね。

彩子:だよね。しかもみんな結構レビューしてくれるの。
日本が好きな外国人って、毎年日本に来る方が多いんだけど、
3年お店やっていると、去年来てくれた方がまた来てくれたり。
インスタのコメントでも、「今年も行きます。」
とかメッセージいただいたり。

敦子:それって嬉しいね!!

彩子:ね!
あと、私が海外に行ってご飯を食べるときに
日本と海外と大きく違うなって思うのが、
日本では『その料理が何を使ってできてるか』が、
外食でわからないことが多いな、ってこと。

敦子:たしかに。

彩子:海外の方たちは、それをすごく気にしていて
当たり前に自分が今何を体に取り入れているのか、をすごく理解してる。
海外だと、「この料理に入ってるものを全部教えてください。」
ってお店に言うと、しっかり答えてくれるところが多いんだけど
日本だとそこまでまだ答えられる店が多くないかもなって。
食材は言えるけど、調味料まで言えるところが
なかなかないかな。

敦子:たしかに、ヴィーガンって調味料ありきだもんね。
それで言うと最近家で出汁取るときたまたま干し椎茸と昆布を使うようになったんだけど、
ほんとヴィーガンのお出汁とかお料理って傷みにくいよね。

逕サ蜒・1

彩子:あ、気づいた? 笑
動物性は酸化が早いんだよね。
ケータリングで依頼受けたときに、さいころ食堂だとどちらもできるんだけど、
夏のイベントのときはヴィーガンをオススメする!

敦子:そう、さいちゃんはさ、
ヴィーガン指定がない場合「美味しい方」を選んでるよね。
そういうところも好き! 笑
もちろんアラスカツヴァイではヴィーガン必須なんだけど
「どっちかというとこの素材を使うときにヴィーガンの方が美味しい。」
って言いかたを聞いていて素敵だなって思ってた。

彩子:そうそう、
たとえばあっちゃんと行った安曇野のりんごを使った
bake shop』でもリンゴがこんなに美味しいなら
バター使わなくていいかも、っていうね。

逕サ蜒・2

敦子:あれに感動したんだよね。笑

彩子:ありがとう。笑

敦子:話が少し逸れるけど、
私が関わる食の仕事をさいちゃんに依頼したい理由がそこなの。笑
私自身、食品アレルギーはほぼないし、
だいたい日本は宗教的な部分も含めて
『食べちゃいけないものがある』って方が海外ほど多くない印象で。
今でこそ、アレルギーがあるお子様も多いけど
私たちの世代だとそこまで多くなかったし。
だから、どうしても、みたいな宗教やアレルギーって理由を抜きにした時に
やっぱり自分はフラットでいたいし、さいちゃんはそういう考え方を理解して
コンセプトとかメニュー提案してくれそうだなって。
普通の飲食店に、ヴィーガンやベジタリアンの人も選べる選択肢がある、
みたいなのが良いなと思ってる。さいちゃんが前言ってたみたいに、
いろんな人たちが一緒に食事できる場所にしたいなって。

彩子:うん、私も同じ。
個人はどんな食志向があってもいいと思うし、
なんなら他の人の細かい志向については知らなくてもいいとすら思ってる。笑
だけど、飲食店としてはいろんな人の選択肢に入る存在でありたいから、
みんなが食べられるもの、という大きな受け皿でいたいんだ。
それが美味しくてまた食べたくなる味だったら、選ばれると信じてるんだよね。

――――――――――――――――――――――――
彩子さんのヴィーガンに対する考え方なども
伺えた今回でしたが、いよいよ次回は最終回。
様々な物事の本質に迫る内容になりそうです!

大皿彩子さんprofile

Processed with VSCO with kp1 preset

大皿彩子(Saiko Ohsara)
(株)さいころ食堂 フードプランナー Vegan cafe [Alaska i] 店主

プロフィール
広告会社勤務を経て、2012年(株)さいころ食堂を設立。
2016年中目黒にVegan cafe[Alaska zwei]をスタート。
Veganを含む“おいしい企画”のプランナーとして、
フードブランドプロデュース、レシピ開発、
空間・イベントコーディネートなどを行う。

Instagram:@saikolo
HP:saikolo.jp

ABOUTこの記事をかいた人

大手化粧品会社PR・企画開発担当後、オーガニックコスメのPRを経て、現在はフリーランスで様々なジャンルのブランドのPRを担当。また、イベント企画やマネジメントなど、活動は多岐にわたる。京都出身。