今回コラムを担当します。大泉工場の内田です。
2025年10月1日、有機栽培を行う農業法人・株式会社プレマをOKSグループに迎え入れたことで、私は初めて「天候=価格」という単純なことではなく、「気候と作物」について考えるきっかけを与えてもらいました。
冬の食卓を支える身近な青菜【小松菜】

今年の出来栄えについて農場長に話を聞くと、「成長が読みにくい年だった」と伺いました。
調べてみると、小松菜は比較的育てやすい作物とされますが、近年はその小松菜らしい安定感が揺らぎつつあるそうで、その背景には、やはり気候の変化があります。
本来、小松菜は冷涼な気候に強く、適度な寒さに当たることで葉が締まり、えぐみの少ない味わいになります。しかし今年は秋の気温が高く、種まきの時期から生育が早まりました。ぐんぐん伸びる一方で葉の厚みが増えず、「見た目は大きいのに味が薄い」「水っぽい」という声が一部産地で言われています。生育が進むスピードと、旨みがのるタイミングがずれたことが大きな理由です。
また、小松菜は葉物野菜の中でも日照の影響を受けやすい特徴があります。今年のように曇天が続いた地域では、光不足で葉がやや黄味を帯び、元気がない状態で出荷を迎えたケースもありました。反対に、日差しが強い地域では葉が硬くなり、調理時に「しんなりしにくい」と感じる場面もあったようです。気温と日照、そのどちらかが極端に振れただけで味わいや食感に表れやすいのが青菜の難しさだそうです。

一方で、株式会社Premaの工夫も進んでいます。遮光ネットを使い日照を調整したり、ハウス内の換気をこまめに行って温度上昇を抑えたり、灌水の量を細かく調節するなど、気候の揺らぎに対応する技術が広がっています。小松菜は回転が早く、1年に何度も収穫できるため、その都度対策を試しやすいという利点もあります。環境の変化を受け止めながら「いつもの味」を保とうとする現場の努力が続いています。
私たちが日々口にする青菜の一束。その裏には、気候の変化を敏感に受け止めながら生産を続ける農家の姿があります。冬の小松菜を味わうとき、そのみずみずしさの奥にある自然の揺らぎと、人の工夫に思いを寄せてみるのも、この季節ならではの楽しみではないでしょうか。
小松菜の栄養と産地別の冬の味

小松菜は身近な冬野菜ですが、栄養価の高さと産地ごとによって味や質に違いが生まれます。カルシウムや鉄分、ビタミンC、βカロテンを多く含み、特に冬場は寒さに耐えることで栄養を蓄えやすくなります。加熱しても栄養が失われにくい点も、日常使いしやすい理由です。
関東の都市近郊産は出荷までの時間が短く、葉が柔らかくえぐみの少ない味わいが特徴です。一方、西日本ではハウス栽培が多く、葉色が濃く安定した品質が保たれています。寒冷地の露地栽培では葉が厚く、噛むほどに甘みが感じられます。同じ小松菜でも産地や育ち方で味は変わります。産地を意識して選ぶことで、冬の青菜の奥深さが見えてきます。

良い資料がなく、分かりづらくてすみません、、、
本年も格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
大泉工場CAMPUSは科学、芸術、自然を融合させた環境づくりに取り組んでいます。
「素敵な環境を創造する」ために循環型のコンポスト運用やコンブチャの製造の段階で排出される水蒸気や排水、廃棄物などを可能な限り減らし再利用し、地球環境にやさしい循環型農業を実践しています。
ぜひ一度訪れ、体感してください。





