白い目を、歓声に変える方法

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

僕ら株式会社大泉工場が本拠地を置く、埼玉県川口市。
ここは今、全国ニュースで名前が出る機会が増えてしまった。理由は「クルド人問題」だ。文化や制度、そして人の心が複雑に絡み合うこのテーマは、街の将来を左右する課題でもある。

クルド人は中東のトルコ・シリア・イラクなどに暮らす民族で、世界で唯一、自分たちの国を持たない。日本にも暮らしており、特に川口市や隣の蕨市には2,000〜3,000人が暮らしていると言われる。

僕個人としては、国籍やジェンダーを理由にした差別には真っ向から反対だし、さまざまな背景を持つ人が共存することは、街を豊かにする力になると信じている。そういった仲間も多くいるが、クルド人の知り合いはいない。それでも、この街に関わっている以上、この問題を「人ごと」にはしていられない。

報道でよく取り上げられるのは、文化や生活ルールの違いによる摩擦だ。ごみ出し、公園の使い方、道路でのマナー…。
隣人が外国人かどうかに関係なく、ルールを守らないように見えると、不安や不満は確かに生まれる。ましてや言葉が通じにくいと、そこに誤解や距離が生じやすいのは確かだろう。


ただ僕が思うに、この摩擦そのものが“根っこ”ではない。本質的な問題は、彼らの多くが「仮放免」という中途半端な立場に置かれていることだ。

仮放免とは、難民申請中で送還できない人を一時的に施設外で暮らせるようにする制度だが、その実態は不安定だ。

  • 働けない(原則就労禁止)
  • 自由に移動できない(県外移動に許可が必要)
  • 社会保障がない(健康保険・生活保護なし)


しかも数か月ごとに入管へ更新に行き、許可が下りなければ再収容される可能性もある。
長く続けば続くほど生活は不安定になり、将来の計画も立てられない。地域に溶け込むことも難しくなる。この状態が何年も放置されれば、本人も地域も疲弊し、負の連鎖が生まれる。それが今の川口の現実だ。

先日、地元サッカーチーム「アヴェントゥーラ川口」のGMや関係者と会食したとき、「クルド人のトライアウトができないか」という話題が出た。
僕は直感的に「これは面白い」と思った。白い目を向けられがちな存在が、スポーツを通して街を盛り上げ、ヒーローになる姿が浮かんだからだ。
もちろん、アヴェントゥーラは簡単に入れるチームじゃない。実力が必要だし、競争は厳しい。でも、そういう“門”を、角度を変えて少し開くこと自体に意味がある。スポーツは国籍や言語を超えて人をつなぐ力を持っている。ネガティブな印象を、実際のプレーや結果でひっくり返す——シンプルだけど力強い方法だ。

しかし、スポーツでの成功例があったとしても、仮放免という制度の壁は残る。練習や試合に専念できる環境、移動の自由、生活の安定——これらを整えるには、制度的な改善が必要だ。難民審査の迅速化、仮放免中の生活支援や就労許可の柔軟化など、国レベルの改革が求められる。

川口駅前には「人権尊重宣言都市」という看板が掲げられている。僕はこのサインが密かに好きだ。大事なのは、その言葉を形だけにしないことだと思う。現実の課題に向き合い、異なる文化や背景を持つ人たちと共に成長できる都市になること——それが本当の意味での「尊重」だと僕は思う。

この街で事業を営む一企業として、僕ら大泉工場もその一端を担いたい。制度の壁を乗り越えることは簡単ではない。でも、スポーツのようにシンプルでポジティブな接点をつくることは、今すぐにでも始められる。


ネガティブをポジティブに変える起点は、僕らの発想力の中にある。そして、その発想を実行に移せる土壌が、大泉工場にはある。
この考えに共感してくれる人と一緒に、川口の、そして地球の未来を変えていきたい。興味を持っていただけたら、ぜひエントリーしてほしい。あなたの挑戦を待っている。

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