空に浮かぶ緑の惑星──ヤドリギが語る循環の未来

こんにちは!デザインチームのJUNです。
大泉工場の掲げる『地球を笑顔で満たす』『素敵な環境を創造する』に共感して一緒に働いています。

今回は、ランニング中に出会った不思議な球体についてです。
週末の朝、いつものランニングコースを走っていると、ふと空に不思議な光景を見つけました。秋も深まり、周囲の木々が葉を落とし始めているのに、枝の途中だけが丸くこんもりとした緑を残しているのです。青空に浮かぶ小さな惑星のように、その球体は朝の光を受けて静かに輝いていました。思わず足を止め、見上げながらその正体を確かめたくなりました。

ヤドリギ──鳥と木をつなぐ半寄生植物

調べてみると、それは「ヤドリギ」という植物でした。ヤドリギは自ら光合成をしながらも、宿主となる樹木の枝に根を下ろして水分や無機養分を吸収して生きる半寄生植物です。常緑性で冬でも葉を落とさないため、周囲の木々が裸木になる季節にこそ存在感を増し、空中に浮かぶ緑の塊として人の目を引きます。その繁殖の仕組みもユニークで、鳥が実を食べ、消化されずに排泄された種が枝に付着することで新たな命が芽吹きます。鳥と木とヤドリギが互いに命をつなぎ合う――そんな関係は、寄生という言葉よりも共生や循環という表現がしっくりくる生態です

桜の木の宿木

自然が示す「循環」のデザイン

この小さな緑の惑星を見つめていると、自然界が描く「循環」の姿が目の前に広がるようでした。私たちが当たり前に享受している水や空気、食べ物もまた、無数の命や物質が絶え間なく循環することで成り立っています。そして今、世界中で注目されている「サーキュラーエコノミー」という考え方も、まさにこの自然の知恵を人の社会に活かそうとする取り組みです。

サーキュラーエコノミーとは何か

サーキュラーエコノミーとは、限りある資源を一方向に消費して捨てるのではなく、「つくる・使う・戻す」を繰り返しながら資源を循環させる経済の仕組みを指します。これまで主流だった「大量生産・大量消費・大量廃棄」という直線型(リニア)経済に対し、廃棄物を資源として再利用し、製品寿命を延ばし、設計段階から循環を意識する――そんな発想が特徴です。たとえば、修理やシェアを前提とした製品、リサイクル素材を使ったものづくり、再生可能エネルギーの活用などがその代表例です。資源の枯渇や気候変動が深刻化する中で、サーキュラーエコノミーは持続可能な社会を築くための重要なキーワードとなっています。

大泉工場・OKS _CAMPUSの挑戦

私が働く大泉工場が拠点とする「OKS_CAMPUS」は、この考えを形にする挑戦を続けています。たとえば、発酵飲料「_SHIP ORGANIC KOMBUCHA」は、発酵という自然の循環そのものを活かし、プロセスがサーキュラーエコノミーの象徴です。また、1110 CAFE / BAKERYでは、動物性食材を使わないプラントベースメニューを提供し、環境負荷を減らしながら美味しい選択肢を広めています。店舗から出るコーヒーかすを堆肥化して敷地内の菜園に活用する取り組みや、イベントでの再利用容器の導入なども進めています。これらはすべて、資源を無駄にせず次の価値へとつなげる「循環のデザイン」です。

自然と人がつむぐ未来

ヤドリギが鳥に未来を託し、宿主の木から養分を受け取りながらも自ら光合成を行い、新たな命を芽吹かせるように、私たちの活動もまた自然や地域、人々の力を借りながら循環を紡いでいます。循環は一つの企業だけでは完結しません。微生物、植物、人、地域社会――そのすべてが連鎖し、支え合うことで初めて成り立つものです。

まとめ──小さな緑の惑星が示す大きな未来

ヤドリギは、鳥や木と共に生きながら命をつなぐ自然界の小さな循環です。
その姿は、資源を使い捨てずに次の価値へとつなげるサーキュラーエコノミーの考え方と重なります。
大泉工場がOKS CAMPUSで実践する発酵やプラントベース、堆肥化やアップサイクルといった取り組みも、
まさに人の社会に「循環のデザイン」を根付かせる試みです。

ランニング中に空を見上げ、静かに輝くヤドリギを見つけた瞬間、
自然が長い時間をかけて育んできたこの知恵を、私たちがこれからの暮らしや仕事にどう生かすかが問われていると感じました。
ひとつの球体が示す無数のつながりは、未来の地球を笑顔で満たすためのヒントそのものです。
私たちもまた、この循環の輪の一部として、できる一歩から行動を重ねていきたい、
ヤドリギはそう静かに語りかけているように思います。

最後に

10月11日(土)と12日(日)にOKS_CAMPUSにて、「(ARTISAN) FARMERS MARKET KAWAGUCHI 2025 AUTUMN」が開催されます。作り手の想いを未来へつなぐマーケットとして、こどもから大人まで、どなたでも楽しめるイベントです。みなさまのご来場をお待ちしております!