レジ袋がタダじゃなくなった日からの話

こんにちは、メンテナンスチームの渡邊です。
今回は、いつもの修理やマシンの話ではなく、ちょっと日常よりのコラムになります。

レジ袋が有料になったとき、世の中はちょっとざわついた。
「なんで今まで無料だったものにお金払うんだ」「袋くらいサービスでつけてくれよ」
そんな声があちこちから聞こえて、コンビニのレジでモヤモヤしながら財布を開けていた記憶がある。

ところが、それから少し時間がたつと、人は不思議なくらい慣れる。
「袋いりません」が自然に口から出るようになり、いつのまにかエコバッグをカバンのすみに常備しはじめる。
気がつけば、買物帰りの人たちがみんな色とりどりの布バッグを提げていて、最初のあの“ざわつき”は何だったんだろうと思うほどだ。

そもそもレジ袋というものは、昔は家で立派に再利用されていた。
うちでも、流しの下のスペースに「袋入れ」があって、パンパンに膨らんだレジ袋たちが詰まっていた。
あれはあれで主婦の技が光る場所で、しわを伸ばして小さく結んで収納しておく人もいれば、サイズごとに仕分けて管理する人もいた。
袋の山を見て「これ、いつ全部使うんだろ」と子どもながらに思っていたけれど、実際ゴミ出しやちょっとした小物を入れるとき袋にしたり、案外出番は多かった。

そんな“タダでもらえるレジ袋文化”が一気に変わったのだから、最初に戸惑うのは当然だ。
でも、有料になった瞬間、使い方はガラッと変わった。
必要なときだけ買う。
いらないときはもらわない。
たったこれだけで、あんなに山になっていた袋がほとんど増えなくなった。

人間って、環境のために特別なことをするのは苦手だけど、ルールとして定着すると自然と従える生き物なんだと思う。
「面倒だな」と思っていたこともしばらく経てば当たり前になり、気がつくと誰も文句を言わない。
エコって、結局はこうやって“だんだん普通になる”ことで広がっていくんだろう。

ただ、慣れたとはいえ、たまに困る場面はある。
例えば、急にスーパーで予定外の買い物が増えたとき。
エコバッグがパンパンになって、豆腐を入れるスペースが消え、仕方なくレジ袋を買うことになる。
「今日は負けたな…」と、誰に勝っているのか分からない気持ちになる瞬間だ。

それでも、全体としては確実に“袋の無駄”が減ったのは実感できる。
出先で買い物しても、昔みたいに家にレジ袋が山ほど増えることはほとんどない。
袋を必要以上にもらわない、という小さな行動が、意外と大きな変化につながっているんだと思う。

そういえば最近は、レジ袋そのものも進化している。
有料とはいえ、コンビニの袋は意外と丈夫で、水滴に強い素材になっていたりする。
「有料にするなら品質落とさないでね」という無言の圧があったのかもしれない。
環境に配慮する流れの中でも、使い心地はちゃんと保つ。このあたりは日本らしいバランス感覚だ。

振り返ると、レジ袋有料化は、人間の“慣れる力”を改めて感じた出来事でもある。
最初は文句を言いながらも、気がつけば普通に使いこなしている。
エコというと難しく聞こえるけれど、結局はこういう「ちょっと変える」を積み重ねることなんだろう。

あの流しの下でふくらんでいたレジ袋の山は、もう過去のものになった。
そして今は、折りたたみ式のエコバッグを上手に小さく畳むのが、新しい“技”になりつつある。
なんだかんだで、人は変化に順応する。
そしてその順応が、じわっと環境に良い方向に働いていく。

そう考えると、レジ袋の有料化は、静かに、でも確実に生活を変えてくれた出来事だと思う。

大泉工場の取り組み

私の所属する株式会社大泉工場では、再エネ100宣言へと参加を表明し、敷地内で使用する電力全てを自家発電で補っています。

敷地内で運営する1110cafe/bakeryやKOMBUCHAbreweryで出る野菜のカスなどは自社のコンポストにて肥料として生まれ変わり所有の畑で再利用しています。

また「RECYCLE STATION」を設置するなど、

身近な二酸化炭素(CO2)の根本的な削減に向けて日々取り組みを行っています。