「あおときいろの間に」

Design Teamのタナカです。

南青山のオフィスは、緑に囲まれた公園を抜けた先にあります。

2Fがシェアオフィスで、1FがBROOKS GRENNLIT CAFE。
お店が混んでいない時は、あまり迷惑のかからない場所でと思い、カフェの入り口の席で仕事をさせてもらうことがあります。

夏くらいまではちょうちょが舞い込んでくることもあり、ある日は小さいヤモリが入ってきて、それを上司がタタタっと素手で捕まえていてびっくりしました。
ちびヤモリは目の前の公園に返却されていきました。

秋からこの時期にかけては、ドアが開いたタイミングで落ち葉やどんぐりが遠慮なく店内に入ってきます。
カフェのスタッフは掃いてもきりがないので大変そうでしたが、私は内と外の境界がなくなる感じを楽しんでいました。

自然と人のあいだには内と外という概念はあるけれど、内と外は地続きで、境界を引いているのは自分。
人と人の関係にも同じことが言えるかなと考えていました。

境界線のことを考えていて、「あおくんときいろちゃん」を思い出しました。
レオ・レオーニの有名な絵本で、青と黄色の紙をちぎった、まるい形が主人公です。
あおくんときいろちゃんが遊んでいるうちに重なり合って緑色になってしまう物語。
あおくんときいろちゃんが重なって緑になったことは、人種や文化の違いを超えてひとつに結ばれる喜びとすばらしさを伝えてくれます。でも緑のままでずっといることはできずに それぞれあおときいろに戻ります。ここが私の好きなところです。

共感し、影響し合って混じり合い、また個々に戻る。
子どもの絵本ですが、大人も同じであの絵本の中のいろいろな色の「まる」たちが輪になって遊ぶシーンのように、一人一人違う人間だからお互いに相手を理解し大切にしようというメッセージが伝わってきます。

境界を引くなら相手を理解するために。
それは線で分けるというより、「間」を大切にすることなのかもしれません。
出会い、混じり合い、そしてそれぞれに戻るための「間」。

大泉工場の「地球を笑顔で満たす」という理念を実現するには、個を尊重したまま、あおくんときいろちゃんのように混じって、緑になる。そんな関係の積み重ねの上に成り立つのだと思います。

困ったときには、手を差しのべてくれる人たちがいて、
その「間」に助けてもらいながら、日々仕事をしています。

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