世界中の子供達が、「フードロス」についてディスカッションする「地球こどもサミット2018」が開催されました。未来へのバトンを繋ぐ為に、今向き合わなければならない現状とは。

2(アイキャッチ)

私たちの日々の生活を送る中で欠かせない「食」。
何気なくスーパーで食材を購入したり、飲食店へ足を運んだりする中で
目を向けられていない大きな問題があります。


2011年5月に、国連食糧農業機関(FAO)から発表された、国連初の食料ロス・廃棄問題に関する報告書によると、世界全体のフードロスの量は、生産量の3分の1、年間約13億トンにも及びます。

そんな世界が抱える「食」についての問題をテーマに、9カ国25名の子供達が議論する「地球こどもサミット2018」が2018年8月8日、衆議院議員会館 国際会議室にて開催されました。

企画主催者である、にこにこ一般財団法人の代表を務める浅野敬子さんをはじめ、大泉工場NISHIAZABUにて、毎月【チャリティー工場】を主催している 一般社団法人シンクパールの代表理事、難波美智代さん、各国代表の子ども達と議論を重ねる為に関係省庁やJAXAの方々など、そうそうたるメンバーが、おとな先生として参加されました。


1


第一回の議題は「フードロス」。

国連WFPが毎年統計をとっているハンガーマップにて、
2016年の飢餓状況が発表されました。
その数字は、世界で8億1千万人。
中でもアフリカとアジアの人々の栄養状況が厳しく、
アジアでは、5億2千万人もの人々が長期的な厳しい栄養状況にあります。

この凄まじい現状を知り、
「まず自分が生まれ育ったこの日本という場所で、どれだけのフードロスがあり、勿体ない事をしているのだろうか」という疑問を真っ先に抱きました。

ここでディスカッションに参加している子供たちからのアイディアとして挙がったのは、

「アメリカでは、飲食店で食べ残したものを持ち帰る事が出来るので、
日本でも同じようにしたら良いのでは?」
「“形は悪いが、味はどれも同じです。”という表記を作って、変形している野菜や果物も販売したら良いのでは?」
「賞味期限の期日はまだ食べる事が出来るので、捨てなくても良いのでは?」

など、私たち大人だけでは簡単に出てこない意見の数々が飛び交いました。


2(アイキャッチ)

1日150万丁ものお豆腐を作っている、日本一の豆腐屋である相模屋さんでは、
欠けた豆腐やおからが何トンも商品にされず、廃棄ロスになっており、
動物のエサ用としては、栄養が豊富すぎて体調を崩してしまう危険性がある為、
途上国に送る事は出来ないかと考えているという事に対して、
「学校のグラウンドで使っている白線を引くラインパウダーをおからにしたら良いのでは?」という、子供ならではのユニークな意見も挙がりました。

スペインでは、余った食材をシェアする“連帯冷蔵庫”があり、
イギリスでは、余ったパンの耳から作られるビール、“トースト・エール”というものがあり、フランスでは、“余った食材を寄付するという”習慣がある中で、
私たちは果たして、どこまで関心を持ち実践に移しているのだろう。と自分の心にも問いかけてみました。

「アフリカでは、日本と違って電気やガスがない。
1日1食しか食べる事が出来ない人たちがたくさんいる。
蚊に刺されただけでも亡くなる人だっている。
手を洗う事で命を守る事が出来るという事を知った。
ロボットにすべてを任せてはいけないと思っている。
お米や野菜を育て作ってくれている人たちに
感謝する気持ちを忘れてしまうから。
肌の色も見た目も違うけど、
中身はみんな同じ心のある人間。
“みんなが笑顔になれる世界”を作っていきたい。」

(トラオレダウアー君の作文を要約)

3

会場内では盛大な拍手が沸き起こりました。

「原料を大量に仕入れる中で、期限切れのものが出ないよう、ストックの仕方を工夫している」「コンビニでは、発注を受けてから生産をし、ロスが出ないようにしている」など、おとな先生を務める企業の皆様からも、現在取り組まれている事柄はいくつかお聞きする事ができましたが、冒頭で話したロスや廃棄量、饑餓人口の数字を見る限りでは、この問題が改善されているまでには、まだ程遠いようにも感じます。

4

しかし、国連WFPの事業の中で、2030年までに企業が協力し合い、人々の生活を改善し、より良い未来をつくる為に国連で定められた17の命題【SDGs(エスディージーズ)(=接続可能な開発目標)】が先駆けとして取り組みを行っています。

この取り組みをはじめ、
今回開催された「地球こどもサミット2018」をきっかけに、私たち一人一人、そして各国各企業が1つでも実践に移せば、私たちに見えていない地球の裏側で泣いている人々を救い、笑顔を増やしていけるであろうと信じています。

5

僕らの地球は美しい。
青空の下で想像する僕らの夢は大きい。
なのに大人たちは戦っている。
地球の裏側で僕らの仲間たちが痛い思いをして
お腹をすかせているのを知った。
さあ、一緒に手を繋いで未来へ行こう。
僕らの仲間は僕らが守る。

僕たちの地球。未来の平和に向けて。

※第一回「地球こどもサミット2018」のスローガンより。

ABOUTこの記事をかいた人

大泉工場の公認ライター。某ファッション誌のオフシャルブロガーを務めながら、モデルや得意な空想画を生かしたアーティスト活動を行っている。2015年には、独自の世界観を表現する場所を設ける為に「Various.」を立ち上げ、日本の和を軸としたアートスナップを国内に問わず海外へ向けても発信し続けている。自身のルーツである植物や花を眺めるのが日課。