今回コラムを担当します。大泉工場の内田です。
OKS CAMPUSは、自然環境を維持するため、循環型農業(化学肥料や農薬の使用を抑えつつ、使用する資源を循環させて自然環境への負荷減らす)の考えを取り入れた管理を行っています。人に環境にやさしいCAMPUSへ、ぜひ一度お越しください。
環境へ配慮しているCAMPUSからは、1110CAFE/BAKERYに欠かせない宝物が生まれています。
では、
私たちの身の回りには、目に見えない自然の存在が息づいています。その一つが「自然酵母」です。空気中や果実、穀物の表面など、自然界の至るところに存在する微生物が、発酵という神秘的な営みを担っています。
自然酵母とは
果物や穀物、植物などに付着している酵母菌を培養して得られる酵母のことを指します。これらの酵母は、パンや発酵食品の製造において特別な役割を果たし、独特の風味や質感を生み出します。自然酵母は、人工的な添加物を使用せず、自然由来の特性を持つため、健康志向の高い消費者に支持されています。

自然と共生した1110CAFE/BAKERY

自家製の自然酵母「花酵母」を使用しています。
正確にお伝えするとOKS CAMPUSに生息する「さくら」「うめ」「あんず」等の花から分離した酵母です。余分な添加物を使用せず、環境と体に良く、花酵母によって多様な香味を楽しめます。酵母自体にくせがないため、小麦粉の風味を最大限に引き出した、すっきりとした味わいのパンをつくることができます。お子様からお年寄りまで安心してお召し上りいただけるのが特徴です。(協力:株式会社ベーカリーイノベーション研究所)
いなみに小麦粉は国産小麦「ゆめちから」を100%使用しています。
自然酵母によるパン作りは、昔ながらの製法でありながら、いま改めて注目を集めています。その理由の一つは、「自然との共生」を感じられるからかもしれません。酵母を育てるには、温度や湿度、材料の質、そして何より「待つ」ことが必要です。効率重視の現代社会において、自然のリズムに合わせて手間をかけることは、ある意味で贅沢ともいえます。
日本古来の発酵食品といえば、納豆、醤油、味噌、漬物などが身近にあります。
絶滅危惧「自然酵母」
しかし、この自然酵母の存在も、環境の変化に敏感です。気候変動や農薬の使用、都市化による自然環境の喪失などにより、多様な酵母の生息地が減少しています。地域固有の酵母や、それに育まれた独自の発酵文化が消えつつあるといわれています。
自然酵母は単なる食の技術ではなく、「自然と共にある暮らし」の象徴です。私たちが自然酵母を選び、育て、味わうことは、自然との共生でもあります。目には見えないけれど確かに存在するこの小さな力を、これからも守り、活かしていきたいと思います。

(白神山地)
まとめ
世界自然遺産、白神山地のブナの原生林より採取され純粋培養された酵母「白神こだま酵母」は、「種起こし不要で水に溶かしてすぐ使える」「発酵力が強い」「国産小麦と相性が良い」等の特徴があるそうです。素晴らしい酵母を生み出す白神山地のブナ林は、8000年前に今と同じ生態が完成されていたと言われています。しかし、このまま温暖化が進むと、21世紀の終わりには、ブナ林の9割が消滅すると予測されています。白神こだま酵母と共に。
大泉工場CAMPUSは科学、芸術、自然を融合させた環境づくりに取り組んでいます。
「素敵な環境を創造する」ために循環型のコンポスト運用やコンブチャの製造の段階で排出される水蒸気や排水、廃棄物などを可能な限り減らし再利用し、地球環境にやさしい循環型農業を実践しています。
ぜひ一度訪れ、体感してください。
