共感の先にある共創が、新時代の幕を開ける

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

2000年代のはじめ、僕が社会に出た頃は、「飲みニケーション」という言葉がまだ生きていた。もしかしたら、知らない方もいるかもしれない。仕事終わり、上司が若手を連れて街に繰り出し、そこで飲食を共にしながら関係性を高める行為だ。

今でこそ、上司が若手を飲みに誘うのは“ハラスメント”の文脈で語られることが多いが、当時はそれが自然なコミュニケーションだった。
僕も例に漏れず、上司に連れられて夜な夜な街へ繰り出した。地方都市に配属され、ほぼ全員が移住者という環境。僕を含むスタッフたちは若手が多く、上司が寂しがり屋だと、その頻度はさらに増える。気づけばほぼ毎晩、事務所の仲間たちと夜を共にしていた。

振り返れば、朝から晩まで働き、飲み、また朝を迎える——今の僕には到底考えられない生活だ。
それでも、不思議と苦ではなかった。むしろ、その時間が好きだった。職場も、仲間も、そしてあの空気も。
なぜか。
今になって思えば、そこには“同じビジョン”があったからだと思う。

当時、地方都市の中心市街地に位置するショッピングセンターで働く僕らは、郊外にできる大型商業施設という新しい競合他社たちと、お客様の奪い合いを展開していた。必死に集客案を考え、奮闘していた。結果が出ることもあれば、全く出ないこともある。
僕自身、何度も仕事で悔し涙を流した。
けれど、そんな夜には必ず誰かがそばにいてくれた。慰めの言葉なんていらない。
ただ同じ空気を吸いながら、隣で笑ってくれる——それだけで救われた。
あの頃の“横のつながり”は、努力や根性といった古い価値観で片付けられるものではない。
同じ方向を向いていたからこそ、立ち上がる力をもらえたのだと思う。


気がつけば、世の中は「個性の時代」になった。
それ自体は素晴らしいことだ。多様な価値観を認め合う社会は、間違いなく進化だと思う。
ただ一方で、個性を尊重するあまり、「同じ方向を向くこと」が、どこか古臭く、息苦しいことのように扱われてはいないだろうか。

SNSでつながり、スマホで自分の世界を完結させる。
家族が同じリビングにいても、触れている情報はバラバラ。
昔のように“同じテレビ番組を観て笑う”時間は、もうほとんど存在しない。
情報技術の発達がもたらした便利さの裏で、僕らは“大切な共感の場”を少しずつ失っている気がする。


そんな時代にあって、最近嬉しい出来事があった。
大泉工場に最近入社してくれた若手スタッフの一人が、「今度飲みに連れてってくださいよ」と声をかけてくれたのだ。
僕の話を聞きたい、と。
それを聞いた瞬間、胸の奥がじんわりと温かくなった。
ああ、まだ“語り合う場”を求めている人はいるんだ、と。

ただ、そういう時に僕はなるべく自分の話をしすぎないようにしている。
伝えたいことはいくらでもあるけれど、それ以上に、みんなの話を聞きたい。
なぜこの会社で働いているのか。
何を大切にしているのか。
そして、どんな未来を描いているのか。
それを共有する時間こそが、僕にとっての「飲みニケーション」の本質だと思っている。

一方通行ではない。
同じvisionを“教える”のではなく、“分かち合う”こと。
それができた瞬間、組織は単なる集合体から“チーム”になる。
その変化を目の前で見るたび、僕はこの仕事をやっていて本当によかったと思う。


「共創」とは、共感の延長線上にある行為だと思う。
理解し合うことに満足せず、互いの違いをエネルギーに変えていくこと。
そこには、正解もゴールもない。
だからこそ、想いを持つ人たちと何かを形にしていく過程こそが、美しく、尊い。
僕が目指したいのは、そんな“進行形の共創”だ。


先日、34年ぶりに東京で開催された世界陸上が、閉幕した。
選手たちが、国の名を背負って全力で陸上競技に取り組む姿に、久しぶりに“日本全体の一体感”を感じた。
誰かの挑戦を、知らない誰かが本気で応援する。
たったそれだけのことが、こんなにも胸を打つのかと思った。
あの瞬間、僕らは確かに「同じ方向を向いていた」。

個性の時代だからこそ、必要なのは“共創の力”なのかもしれない。
一人ひとりの違いを認めながらも、同じ目的地に向かって進む力。
若い世代が持つ感性や柔軟さが、それをさらに前へと押し出してくれるはずだ。
僕らの役割は、その風を恐れずに受け入れ、次の世代へとバトンを渡していくことだと思う。

そして、その歩みの中に、新しいコミュニケーションの形を見出したい。
いつだって飲みのお誘いはウェルカムだ。
同じvisionを、本気で見据えられる仲間と共に時間を過ごすこと。
それが、僕の原動力だ。

素敵な環境を創造し続けるための“共創”を、共に歩んでくれる仲間をいつでも歓迎しています。
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