こんにちは。大泉工場でWebディレクターをしている白熊です。
ECサイトや各ブランドのWebディレクションを担当しながら、日々「どう伝え、どう届けるか」を考えています。
今回はすごく個人的な話です。
最近、行きつけの居酒屋から皿を何枚かもらいました。食器が増えすぎたから持っていってよと言われて渡されたのがやちむんの皿です。もともとやちむんは好きなので素直にうれしい。
常連になると、こういうことが起きます。
やちむんは沖縄で17世紀頃から続く焼き物です。厚みがあり、釉薬には揺らぎがあります。均一ではありませんが、それが落ち着きます。1920年代には柳宗悦ら民藝運動の人々が沖縄を訪れ、こうした日常の器の美しさを見出しました。特別な美術品ではなく、暮らしの中で使われるものにこそ美があるという考え方です。やちむんもその文脈で再評価されました。日常で使うための器なので、料理を盛ってこそ意味があります。
店で使われていた皿が家に来ると少し面白いです。同じ皿なのに、家の食卓に置くとまた違う顔になります。食卓に居酒屋の空気が少し混ざる感じがします。器は単なる道具ではなく、場所の記憶を運ぶものなのかもしれません。
個人経営の居酒屋は料理やお酒だけの場所ではありません。通ううちに距離が変わっていきます。何を頼むかを覚えられ、最近どうですかと声をかけられる。仕入れの話を聞いたり、新しいメニューの試作を少し味見させてもらったりすることもあります。注文と会計だけではないやりとりが、積み重なっていきます。
その積み重ねの中で、店の時間の一部がこちら側に流れてくることがあります。今回の皿もそうです。売り物として並んでいたわけではないけれど、長く使われてきた器が手渡される。そこには値段とは別の重みがあります。
常連になると家に皿が増える。
それだけの話ですが、本来は売り手と買い手の関係だけのはずなのに、それ以上の温度を感じられたうれしい話でした。
自分も売る立場として、本来は取引で終わるだけのやり取りの中に、ほんの少しでもこういう温度を残せる仕事がしたい。そんなことも考えさせてくれる出来事でした。
関連記事:
https://www.oks-j.com/brain/2023/04/03/biofach_kombucha/
https://www.oks-j.com/brain/2026/01/27/organic-farming/
https://www.oks-j.com/brain/2025/10/01/enjoy-your-subscription-service/





