企画は、思いついた瞬間は未完成でいい

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

企画を考え、提言することには、いつも少しだけ勇気がいる。
なぜだろう。
それは、誰かに「つまらない」「意味あるの?」と言われるかもしれないからだ。

企画は、思いついた瞬間はまだ小さな芽だ。形も不完全で、説明も下手だし、それだけ見れば穴だらけに見える。だからこそ、人はそれを否定しやすい。

「もっと良い案があるんじゃない?」

「現実的じゃないよね」

「前例ある?」

そんな言葉が、せっかく振り絞った勇気の先に落ちてくる。

でも、僕は知っている。
企画は、最初のアイデアが100点である必要なんて、まったくない。
大切なのは「そこから一緒に育てていけるかどうか」だ。


PARCOで教わった、“企画は育てるもの”という感覚

僕がこの感覚を身につけさせてもらったのは、新卒で入社したPARCOで働いていた頃だ。
2000年代初頭、イオンモールをはじめとした大型の郊外ショッピングモールが全国に増え始めた時期だった。週末は家族で車に乗り、街の商店街ではなく、大きくて空調も効いている、雨にだって強いモールで時間を過ごすのが、新しい日常になりつつあった。

PARCOという商業施設は、中心市街地に位置し、商店街を縦に積み重ねたようなビルの中に多様な店が入る。事業の軸は、そこに出店する方々からの家賃収入だ。

つまり、PARCOにとって最も重要なのは「出店を考える人たちに、ここに出店して良かった(=認知も収益も上がった)」と思ってもらうことだった。

出店者さんが口を揃えて言うのはひとつ。

「お客様を集めてほしい」

その期待に応えられなければ、信頼を失う。
だから僕らは「どう集客するか」を考え続けた。

ただ、集客といっても、広告を打ったりポスターを貼ったりするだけでは弱い。
バーゲンセールを連発するわけにもいかない。
街と、人と、季節と、文化と、遊び心をまとめて企画に落とし込む必要がある。

僕は当時の上司に繰り返し言われた。

「企画は、誰をどう巻き込み、新しい価値を生み出すかで決まる」


「パルコでマッハ!」という、ちょっとおバカな企画

ある夏。
どうにも集客が苦しい季節だった。新しい大型ショッピングモールが郊外に完成し、中心市街地が閑散としてきたタイミングだった。

僕は、中心市街地にあるミニシアターの支配人に会いに行き、その夏に上映予定の映画を聞いた。
ラインナップの中に、タイ映画『マッハ!!!!!!!!』があった。ムエタイの熱量が画面から飛び出すような映画だ。

そこから急に企画が転がり始めた。

  • 地元の人気タイ料理店に協力を依頼し、店主にムエタイ関係者を紹介してもらう
  • 週末にPARCO店頭でムエタイ実演イベント
  • 「マッハ!!!!!!!!」の半券でPARCOレストランが割引
  • CDショップや書店にムエタイ特集コーナーを作ってもらう
  • ミニシアターでも「パルコでマッハ!」と言うと映画が割引になる

今整理しても、正直ちょっと意味がわからない。
でも、なんだか楽しい。ワクワクする。支配人もPARCOとともに中心市街地活性化の一助を担えるのならばと、協力的にお互いでアイデアを出し合う。

そしてなにより、その「バカらしさ」を、当時の上司が面白がってくれた。

「それ、いいじゃん。もっとやろうよ」

あの一言で、企画は息を吹き返す。
企画は、肯定されると強くなる。


企画を否定しない、という文化をつくりたい

最近、「若い世代は挑戦しなくなった」と言う人がいる。
でも、僕はそうは思わない。挑戦したい人はたくさんいる。
ただ、「否定されることに対して、極端に怖がりすぎている」だけだ。

否定には経験はいらない。
肯定には責任がいる。

だから、“大人が楽な方”に逃げてしまえば、企画は生まれない。

僕は、誰かが絞り出した企画を、できる限り形にしたいと思う。
そのうえで、もっと良くなるプラスアルファを、一緒に付け加えたい。

企画は、育てるものだ。
そして、育てられる企画がある場所には、人が集まる。
人が集まる場所には、温度が生まれる。
温度がある場所は、街になる。

僕たちは、そういう「場」をつくり続けていきたい。


最後に、これだけは言いたい

なんでも、やっちゃえ。

ただし、自分と仲間と会社を含む、誰もが傷つかない範囲で。
その線さえ間違えなければ、挑戦に失敗はない。

企画は思いついた時点では未完成でいい。
その不完全さを、誰と、どう育てていけるか。
それが、僕らの仕事なんだと思う。

そんなやっちゃいたい精神旺盛な人は、ぜひ大泉工場のリクルートページをご覧いただきたい。ワクワクが止まらない環境が、当社には用意されている。

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