仕事が楽しくて何が悪い

  • 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
  • 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
  • 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
  • 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
  • サーキュラーエコノミーの実践                        などなど

素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。

僕は、仕事という行為が好きだ。
「価値をつくり、誰かに喜んでもらい、対価をいただく」。
たったそれだけの行為なのに、そこには人間らしさのすべてが詰まっている。葛藤も、自己成長も、不確実性も、責任も。
僕らがやっていることのほとんどは、深掘りすれば全部“面白さ”に行き着く。だから僕は、この営みをやめられない。

先日、地元・川口の大先輩と食事をさせていただいた。
50年前にゼロから起業し、グループ全体で年商200億円の企業をつくり上げた偉大な経営者。数字の凄みもあるけれど、それ以上に、この人の背中から漂う“経営者としての静かな強さ”に、僕はいつも惹かれる。

川口のさまざまな会合で顔を合わせてきたが、ゆっくり話すのは意外にも初めてだった。席が隣になり、どちらからともなく「働くって、なんなんでしょうね?」というテーマに入り込んだ。

何か感じるものがあったのだろう。先輩は、自分の若い頃の働き方を語ってくれた。
現代の社員の3倍は働き、月に休みが数日しかないのが当たり前。それでも歯を食いしばって会社を前に進め続けた。
時代は高度経済成長期。努力すれば結果が出る、わかりやすい世界でもあった。

当時の働く理由は「やれば成果が出る」「成果を出さなければならない」。
ある種の強迫観念のようなものすらあったという。だからこそ、働く“理由”なんて考える暇もなかったのかもしれない。

でも、今は違うと先輩は笑った。
現場は息子さんに任せ、会長職。毎日会社に行く必要はないはずなのに、自然と足が向く。
その理由を尋ねると、答えは驚くほどシンプルだった。

「楽しいから」

その瞬間、僕は姿勢を正した。
創業から50年。数えきれない苦難をくぐり抜けてもなお、“楽しいから働く”と言い切れるのは、経営者としてのひとつの到達点だと感じたからだ。

さらに言葉は続いた。
商材を卸していた国が、今は仕入れ先になっている。
誇ってきた日本の技術力は、アジア諸国の台頭で相対的に影響力を失いつつある。
為替も物流も、コストも人材も、昔とは何もかも違う。

それでも先輩は、そういった大きな変化の波を乗りこなす。落ちてもまた来る波を楽しみ、また立つ。
まるでサーファーの話を聞いているようだった。

僕はその姿勢に深く感銘を受けつつ、同時に少しの嫉妬も覚えた。
僕が経営する大泉工場は、歴史はあるが会社の“形”としては変化を続けている。鋳物で創業し、不動産業に移り、そして今は食・コミュニティ・発酵・農・環境・文化という“人の心と暮らしの領域”へ飛び込んでいる。
創業者である曽祖父が今の姿を見たら、きっと腰を抜かすだろう。

一方で先輩の会社は、事業環境こそ変化にさらされながらも、軸となるビジネスモデルは長く続いており、その蓄積が企業としての深さをつくっている。
僕はその一点に、正直な憧れがある。

「もし大泉工場がいまだに鋳物業を続けていたら?」
この問いは、時々ふいに頭をよぎる。

もしそうだったら、今の仲間たちとは出会わなかっただろう。でも僕はきっと、“素敵な環境を創造する”という物語に惹かれ、何らかの形で同じ方向に向かっていた気もする。
根っこにある衝動は、きっと変わらない。

2008年から始まった「素敵な環境を創造し続ける」事業。
この17年間で失ったものもあるが、それ以上に得てきたものが圧倒的に多い。人も、知恵も、経験も、痛みも、仲間も。

そして先輩の「楽しいから働く」という言葉を聞いたとき、僕の17年間の景色が一本の線でつながったように感じた。

働く理由は、人の数だけある。
金のため、生活のため、家族のため、成長のため、名誉のため、承認のため。
どれも否定されるべきではない。

その中から“長い時間、ぶれずに走り続けられる理由”を選ぶとすれば――

「楽しいから」
それしかないのかもしれない。

もちろん、その“楽しさ”は甘いものではない。
変化に飲まれそうになりながらも、その波を味方に変える感覚。
会社という生命体が成長したり停滞したりするサイクルを、ときに遠くから、ときに真正面から受け止める経験。
人間関係もトラブルも失敗も、ひとつひとつが会社の血肉になっていく過程。

そのすべてを丸ごと楽しめるようになること。
それが働くという行為の本質に近いのかもしれない。

大泉工場はこれからも変わり続ける。
時流の波に乗ることもあれば、逆流に抗うこともある。
けれど、たとえ景色が変わっても、そこに宿す想いは変わらない。

僕ら自身が、新しい波を起こす震源地になる。
ただ波に乗るだけではなく、波そのものを起こす存在でありたい。

そうすれば、仕事はもっと面白くなる。
働くことは、もっと自由になる。

先輩の「楽しいから働く」という言葉を胸に、
大海原を仲間とともに、これからも漕ぎ続けていく。

一緒に大航海を共にしてくれる仲間を、僕らはいつでも歓迎しています。

少しても共感を覚えていただけたらぜひ、下記リンクから大泉工場で働くとはどう言ったことなのか、見てみてください。

>大泉工場リクルートページ