- 機能性発酵飲料「_SHIP KOMBUCHA」の製造販売
- 100% Plant-Based/Naturalな素材にこだわったカフェ「1110 CAFE/BAKERY(川口市領家)、「BROOKS GREENLIT CAFE(港区南青山)」の運営
- 約3000坪の自社敷地を活用した各種イベントを開催
- 自社農場で野菜の有機栽培に挑戦
- サーキュラーエコノミーの実践 などなど
素敵な環境を創造し続け、世の中を笑顔で満たす活動をしている、大泉工場のKANです。
企画を考えるとき、必ず出てくる質問がある。
「このプロジェクトは、誰に届けたいのか」。
マーケティングでは、とても大切な問いだ。
この問いを無視して、企画を前に進めることはできない。
ただ、僕はいつもこの質問に、少しだけ引っかかりを感じている。
間違ってはいない。
でも同時に、この問いが、企画の可能性を小さくしてしまうこともあると思うからだ。
では、大泉工場が価値を届けたい相手は誰なのか。
僕はよく、「日本人ではなく、地球人です」と答えている。
冗談のように聞こえるかもしれない。
でもこれは、気分でも理想論でもなく、ちゃんと考えた上での答えだ。
日本はこれから人口が減り続け、国内の市場も小さくなっていく。
一方で、環境のこと、健康のこと、食べ物のあり方についての関心は、世界中で高まっている。これらは、国が違っても、共通している価値観だ。
もし僕らが、日本の中だけを見て企画を作り続けたらどうなるだろう。
きっと、視野は狭くなり、新しい発想も生まれにくくなる。
とはいえ、現場からはこんな声も出てくる。
「もっとターゲットを絞ったほうがいいのでは?」
「対象が広すぎるのでは?」
これも、まったくその通りだと思う。
企画は、焦点を合わせることで、はっきりした形を持つからだ。
では、どちらが正しいのか。
この問いに対する僕なりの答えは、数年前に訪れたニューヨークで見つかった。
■NYCで気づいた「自分らしさ」の大切さ
その頃の僕は、ニューヨークで自分の店を持つことを真剣に考えていた。
まだ実現はしていないが、「いつかやるだろう」という感覚は、今も変わらない。
現地で活躍する日本人の方々と会い、街を歩き、いろいろな人と話す中で、多くの学びがあった。その中でも、特に心に残ったのが「アイデンティティの重要性」だった。
当時の僕は、日本の直営店で人気だったシナモンロールを、ニューヨークでも展開できないかと考えていた。そんなとき、ある人にこう言われた。
「日本人が作る(スウェーデン発祥の)シナモンロールを、アメリカでわざわざ食べたい人はいると思う?」
この一言で、僕は立ち止まった。
言われてみれば、たしかにそうだ。
日本で、理由もなく外国人がやっている寿司屋に入るだろうか。
そこに「その店を選ぶ理由」がなければ、人は動かない。
そのとき、僕は気づいた。
企画のいちばん大事な部分、「自分らしさ」を、すっかり忘れていたことに。
どの国でも、どの街でも、選ばれるのは
「その人(その会社)だからこそ出せる価値」だ。
つまり、僕がニューヨークでやるべきだったのは、ただ日本で人気だったものを持っていくことではなかった。
日本の技術、日本の味、日本の発酵文化を生かした企画だったのだ。
■大切なのは国籍ではなく「価値観」
この経験をきっかけに、僕の考えは大きく変わった。
人が何かを選ぶ理由は、国籍や年齢、性別ではなく、「どんな価値観を持っているか」だということ。
そう考えると、ニューヨークでも、東京でも、ヨーロッパでも、僕らが向き合う相手は同じになる。
健康を大切にしたい人。
自然と共に生きたいと感じている人。
時間をかけて作られる発酵に魅力を感じる人。
こうした価値観は、国境を超えて共通している。
だから僕らは、価値を届ける相手を「地球人」と呼んでいる。
これは大きすぎる言葉ではなく、価値観を軸にした、現実的な考え方だ。
■なぜ日本のフレーバーと発酵なのか
では、そんな地球人は、僕らに何を求めているのだろう。
答えは、とてもシンプルだ。
それは、僕ら自身が持っているものの中にある。
日本のフレーバー。
発酵という文化。
素材を大切にする姿勢。
_SHIP KOMBUCHAでは、国産の素材や、日本らしい味を取り入れている。
BROOKS GREENLIT CAFEでは、発酵を軸にした商品づくりをしている。
まだすべてが国産やオーガニックではない。
でも、できる限りその割合を高め、品質とストーリーを磨き続けている。
なぜ、そこまでこだわるのか。
それは、「日本のものづくりの丁寧さ」こそが、世界で評価されると信じているからだ。
実際、KOMBUCHAのように世界中にたくさんのブランドがある分野でも、
日本発の発酵技術や素材は、強い信頼を持たれている。
価格が少し高くなることもある。
それでも僕らは、「安いから売れるもの」ではなく、「価値があるから選ばれるもの」をつくりたいと思っている。
■地球人の中で、誰に届けるのか
「対象は地球人」と言うと、誰にでも向けているように聞こえるかもしれない。
でも、実際はそうではない。
僕らには、はっきりしたイメージがある。
健康、環境、文化、そしておいしさ。
これらを同時に大切にしたいと考える人たち。
国籍は関係ない。
同じ価値観を持つ人たちが、僕らのいちばん大切なお客さんだ。
地球人という大きな枠を見ながら、
価値観でしっかりと焦点を合わせる。
この二段階で考えることが、僕の企画づくりの基本になっている。
■企画は、未来の誰かとの会話
僕は企画を考えるとき、
まだ会ったことのない、未来の誰かを思い浮かべる。
日本でも、海外でも、
その人が商品を手に取った瞬間に、
「なんだか好きだな」と感じてもらえるかどうか。
そこに国境は関係ない。
価値観が近い人は、自然とつながっていく。
だから対象を考えることは、
ルールではなく、未来の誰かとの会話のようなものだと思っている。
そして、その会話の中心にあるのは、
僕ら自身の「自分らしさ」だ。
■地球人を相手にするということ
大泉工場が向き合う相手は、地球人。
その中でも、同じ価値観を持つ人たちだ。
その人たちに、僕らは何を届けられるのか。
そして、それは日本人である僕らだからこそ、つくれるものなのか。
この問いを考え続けることが、企画をつくる一番の面白さだと思っている。
対象を無理に絞るのではなく、
価値観で深くつながる。
その広さと深さの両方を考えることが、
今の僕にとっての、事業をやる楽しさなのだ。
地球を愛し、人を愛する仲間を、僕らは常に求めている。
興味を持っていただけたら、ぜひ一度、お問い合わせください。
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