新時代がやってくる

最近、人と会えば「毎日暑いですね」がお決まりの挨拶言葉になっている私です。

今年の夏の暑さは日本のみならず世界中で異常な気象をもたらしています。
農業を含む第一次産業は、特に気象変動の影響を直接受けるため
地球規模の気象の変化のニュースは特に気にかけています。

そこで今日は、この“異様な暑さ”について語ります。

世界もおかしい

気象の変化は、地球規模で起こるので、世界で起きていることをみてみます。

先日、WMO(=世界気象機関)が
2023年7月の世界平均気温が月別の最高記録を更新
史上最も暑くなることがほぼ確実と発表されました。
過去12万年でみても「最も暑い1カ月」と指摘した専門家もいるそうです。

そのニュースを経て、国連のグテーレス事務総長は
「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代が到来した。」
と警鐘を鳴らし「異常気象がニューノーマルになりつつある」
と危機感を示しました。

言葉が与えるイメージの影響ってありますよね。
たしかに“温暖”という表現は、昨今の異常な気象の原因の1つとして
語るときは、不十分表現なのかもしれません。

さらに、
今起きている異常気象による熱を吸収した結果、
地球の海水温が史上最高を記録したとのことです。

欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスによると、
地球の平均海水温が2016年の最高記録を破り、20.96度に達し、
この季節の平均をはるかに超えているそうです。

地球のほとんどを占める海水温が上がると、
海流の流れが変わり気象の大きな変動をもたらしそれに伴い、
その環境下で生きる全ての生きものたちの環境も変えてしまうので
生態系にも大きな影響がでます。

現在、冬を迎えた南極の海氷面積が歴代最小値になった
という調査結果が出ているそうです。

様々な原因/要因により、異常気象と呼んでいるものが、
これからは普通になってしまう時代がくるのではと思うと恐ろしさも感じます。
いや、すでにそうなのかもしれません。

日本もおかしい

東京都心ではありますが、年間猛暑日(猛暑日とは、最高気温が35℃を超える日のこと)
が8月頭の段階で、16日と最高を記録した2022年と並んでいます。
確実に最高を更新する年となりました。

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冒頭にお話しした、「暑いですね」がお決まりの挨拶言葉には続きがあります。
「昔はこんな猛暑日は年に2~3日もなかったのに…」です。

こちらもデータが示しています。
1910年からの全国的な猛暑日の平均日数も右肩上がりです。
日本のどこに行ってもこの挨拶言葉で会話ができる状況です。

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これからの時代

気になるのが上記でお伝えした
年間の猛暑日が2022年、2023年と2年連続で最高を更新していることです。
日本の夏といえば、この気候がベースになってしまったのか…

野菜づくりにおいても、資材、燃料高騰で大きな影響を受けている状況で
気象の影響での生育不良と厳しい状況が続いています。

野菜を含む植物は、人間が生まれるはるか前に誕生し
過酷な地球環境で生き抜くため、進化をとげてきました。

以前、NHKの「超 進化論」の番組で、
陸上の生物の総重量は470ギガトン。
そのうち、人間・すべての動物・微生物の重さを合わせても、
たった4.5%に過ぎないそうです。

そうです、残るはすべて植物。
圧倒的なボリュームを誇る「陸の王者」とありました。

植物(野菜)を育てていると、ついつい人間が植物(野菜)を
生かしていると思ってしまいますが
実はそうではなく、植物(野菜)に人間が生かされていると感じます。

これからの時代は、
・いちはやく環境の変化を感じ取り、対応していく
・植物(野菜)と共に生きていく関係を築いていく
・新しい考え方、技術を柔軟に受け入れていく

ただ暑いな~で思考を停止するのではなく、
暑いこの環境にいかにして適応していくか
真剣に考えながら過ごしたいと思います。

そうしないと、“時代”“地球”“植物”から取り残されるのは
私たち『人間』なのかもしれません・・・。

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ABOUTこの記事をかいた人

KEEN

身近に起きた耕作放棄地の問題から農業ビジネスに興味を持ち 大泉工場が掲げるミッションと有機農業を通して新しい価値を創ることに共感し、入社。 ”農業”を通じて、関わる人の「カラダとココロの健康」に貢献する。 2030年に向けて有機野菜が当たり前の世の中に!を目標に日々学び邁進中。