クランベリーのこと

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はじめまして。大泉工場のXING2です。
今日は僕が一時期、社会人生活のすべてをかけて取り組んだクランベリーの話をします。

クランベリーの収穫期は10月から11月にかけての晩秋。おもな産地はアメリカの北東部であるニューイングランドやウィスコンシンなどです。
生のままでは苦くてすっぱいクランベリーは、収穫後ジャムやソースに炊かれて、「サンクスギビング」(Thanksgiving)のごちそう、七面鳥のローストに添えられるのです。

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そもそもサンクスギビングって?自然と実りへの感謝祭だよね?という方、半分正解です。
1620年、イギリスからマサチューセッツ州に移住した最初の入植者たちは、過酷な自然と食糧難で次々と倒れていきました。それを見た先住民のネイティブアメリカンの人々が、七面鳥の狩りかたを教えてくれ、カボチャやトウモロコシの種を分けてくれて、さらに、栄養不足で病気になった人々に、薬の代わりに食べさせてくれたのがクランベリーだったんです。

おかげで、入植者たちは冬を越すことができ、翌年の秋にはたくさんの作物も収穫できました。そこで、命の恩人である先住民の皆さんからのほどこし(giving)に感謝(thanks)するために、彼らを招いてご馳走でもてなしたのです。いまでもそのころの食事を再現して、Thanksgivingの食卓には、パンプキンパイやコーンブレッドの真ん中に、七面鳥の丸焼きが置かれ、そこには必ずクランベリーソースが添えられます。

アメリカ人とクランベリーの結びつきは日本人の想像をはるかに超えています。アメリカ国内の果汁飲料の消費量ランキングでは、1位オレンジ、2位アップル、3位グレープフルーツに次いで、4位はクランベリージュースです。

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真っ赤な赤い果実のもとは「プロアントシアニジン」というフラボノイドで、ご存じの通り目の健康には不可欠なものです。アメリカ空軍のパイロットに支給されるミールキットにも、ドライクランベリーが入っています。パイロットにとって、視力の健康は最も大切。クランベリーが目に良いというのは、第2次世界大戦の昔から広く知られていたようです。

目に良いだけではなく、ビタミンCの含有量も豊富。「赤くてすっぱくて体に良い伝統食品」ということは、日本の梅干しのように、おばあちゃんの知恵袋的な健康食品なんだと思います。僕は7年半ほどニューヨーク州とマサチューセッツ州に住んでいたことから、帰国後つてあって、マサチューセッツ産のクランベリーを日本に輸入する仕事をしていました。クランベリー果汁を日本のポンジュースを作っている会社で飲料に加工していただいたり、ドライクランベリーを明治屋さんで売っていただいたり。そして日本では入手できなかった生のクランベリー果実を空輸して、アメリカ人のお客さんが多い食料品店に並べていただきました。
生のクランベリーは、最近は、季節になるとCostcoなどで販売されています。僕は毎年その季節になると、一年分のクランベリージャムを炊いて備蓄しています。

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日本へは、札幌農学校(今の北海道大学)の師範として来日し、「少年よ、大志を抱け」の名言で知られるクラーク博士がクランベリーの苗を持ち込まれ、いまでもその苗の子孫が残っているそうですが、残念ながら商業的に栽培されるには至っておりません。でも時々ホームセンターなどで観賞用の小さな苗が売られています。ツツジ科のクランベリーは比較的強い植物なので栽培も簡単。夏の終わりごろ、白くて可憐な花が咲き(花弁のカタチが鶴(crane)に似ていることからcranberryというんですよ!)、秋には真っ赤な小さな実をつけると思います。ちなみに生の実はすっぱくて苦いので生食には向きません。目で愛でるのが良いと思います。

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お伝えしたいことが山ほど詰まった、ちいさな真っ赤な果実、クランベリー。1110 CAFE/BAKERY のフルーツケーキとショコラクランベリーにも入っています。ひと口かじると、さわやかな酸味とふくよかな甘みが口いっぱい広がります。ぜひいちどご賞味ください。

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これでも僕が語りたい、クランベリーのことの半分にもなりません。続きは機会があればまた、サンクスギビングが近づいたころお伝えしましょう。

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XING2

寅年生まれ。千葉県船橋市出身。私立文系大学卒業後は人工衛星からパチンコ台まで広く組み込まれるCPUのOS開発に携わるが、突然食品業界へ転身。農水畜産の輸出入、国内・海外での営業、事業開発など食品ひとすじ35年。クルマ、写真、映画を愛し、料理とキャンプ(焚き火)はライフワーク。二人娘の子育ても卒業し、社会人経験の総まとめを大泉工場にて行う予定。

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