『食』~伝統と安全との共生~

みなさん こんにちは。
大泉農場を運営していますKeenです。
 

1日3度のメシには漬物を添えたい!と思うほど漬物好きです。

 

そんな私が数年前「!!!」と思ったニュースがコチラ
食品衛生法改正で「いぶりがっこ消滅危機」

今年、法改正にあたり対応する経過措置終了期間が5月31日におわり2024年6月1日からいよいよ全面実施となります。
 

野菜を作るうえで加工して提供するというのも消費者に美味しいものを届ける上での重要な手段の1つです。
 

今回は、

・食を扱う大泉工場にとっても

・野菜づくりをする私にとっても

他人事ではないこのニュースについておはなしです。
 

そもそも

食品衛生法とは・・・飲食による健康被害の発生を防止するための法律

1947年に「食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ること」を目的として、制定されました。
 

昨今の食をとりまく環境変化や国際化等に対応し、食品の安全を確保するため15年ぶりに食品衛生法の一部に大きな改正が入りました。
 

大きなポイントとしては以下です。

1.広域的な食中毒事案への対策強化

2.HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化

3.特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集

4.国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備

5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設

6.食品リコール情報の報告制度の創設

 

なぜ、いぶりがっこ?

上記で挙げたポイントはどれも重要ですが、今日は

「いぶりがっこ」ニュースとの関連性にフォーカスします。

今回、下記のポイントによって「いぶりがっこ」問題が語られるようになりました。

☞5.営業許可制度の見直し、営業届出制度の創設
 

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※厚生労働省HP参照(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197196.html

今回のニュースの発端は赤枠で囲った“要許可業種”が再編され今までなかった『漬物製造業』が新設されたことに起因するものです。
 

これにより、漬物を製造・販売するにも行政機関の許可が必要となり衛生的な製造施設などの整備を迫られることになりました。いままでは、保存食である漬物は、各都道府県や自治体の条例に基づく届け出をすれば販売できました。

今回の法改正により、工場などの衛生的な施設を備えていることが要件となる「営業許可制」に変わりました。
 

特に地域の“道の駅”や“直売所”の多くでは、個人の手作り漬物が販売されているのを見たことあると思います。

個人の農家さんが自家製で作って、地域で販売をしていた方には大きく影響します。

<設備投資にかかる費用、高齢の方が作り手>などなど

法改正に対応するにもクリアしなければいけない問題も多いため、廃業を選ぶ方も出てきます。
 

食の安全をどこまで突き詰めるかというのを考えさせられますよね。
 

どのような素材を、誰がどんな所で作っているかを可視化し安全を担保することも重要です。

一方で、その地域ではるか昔からの製法を受け継いできた「伝統ある食の歴史」を次の世代にも引き継ぐことも重要です。
 

いぶりがっこについては、自治体や地域が連動した支援などで継続できるようにする取り組みも進んでいるとニュースでみます。
 

しかしながら、いぶりがっこに限らず日本中に同じような伝統ある食の保存の問題があると思います。
このまま対策が進まなければ2100年には、日本の人口は今の半分 約6,000万人になると推測するデータもあります。

次代の日本人へ多くの日本の伝統ある“食文化”を残すこと、今を生きる私たちの大きな責務だと思います。
 

たかが漬物

されど漬物
 

非常に考えさせられるニュースではないでしょうか。

 

執筆後記

大泉工場敷地内のCAMPUS FARMでは、大根を栽培していたのでこのブログに合わせて、“いぶりがっこ”作りをしようと思いましたが、製造工程で2か月ほどかかりそうだったので、“たくあん”作りの写真をご紹介!

 

  • 収穫した大根を天日干し 2日間
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  • 農場長秘伝のタレ 5日間漬け込み(ポン酢 柚子 砂糖 塩 のいたってシンプルな配合)

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  • シャキッと美味しい たくあんの出来上がり♪
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皆さんも簡単にできる保存食つくりから日本の伝統の食について考えてみるのはいかがでしょうか。
 

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